JPH05186802A - モリブデン複合粉、モリブデン複合板材、及びその製造方法 - Google Patents
モリブデン複合粉、モリブデン複合板材、及びその製造方法Info
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- JPH05186802A JPH05186802A JP4003056A JP305692A JPH05186802A JP H05186802 A JPH05186802 A JP H05186802A JP 4003056 A JP4003056 A JP 4003056A JP 305692 A JP305692 A JP 305692A JP H05186802 A JPH05186802 A JP H05186802A
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Landscapes
- Powder Metallurgy (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【目的】 強度及び熱伝導度等の特性が良好なモリブデ
ン複合板材の提供。 【構成】 モリブデン粉又はモリブデン酸化物粉を銅塩
類溶液中に入れて、攪拌乾燥して乾燥物を得、この乾燥
物を還元してモリブデン基表面上に2乃至50重量%の
銅層が形成されたCu−Mo複合粉を生成する。このC
u−Mo複合粉を所定の圧力でプレス成型した後、温度
1100℃乃至1300℃で焼結し、相対密度が90%
以上の焼結体を得る。そして、圧延加工によってモリブ
デン複合板材を製造する。
ン複合板材の提供。 【構成】 モリブデン粉又はモリブデン酸化物粉を銅塩
類溶液中に入れて、攪拌乾燥して乾燥物を得、この乾燥
物を還元してモリブデン基表面上に2乃至50重量%の
銅層が形成されたCu−Mo複合粉を生成する。このC
u−Mo複合粉を所定の圧力でプレス成型した後、温度
1100℃乃至1300℃で焼結し、相対密度が90%
以上の焼結体を得る。そして、圧延加工によってモリブ
デン複合板材を製造する。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はモリブデン複合板材及び
その製造方法に関する。
その製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、モリブデン(Mo)及び銅(C
u)が複合された板材が知られており(以下単にMo−
Cu板材という)、このようなMo−Cu板材は、例え
ば、半導体用ヒートシンク材、電気接点、及び放電用電
極に用いられている。
u)が複合された板材が知られており(以下単にMo−
Cu板材という)、このようなMo−Cu板材は、例え
ば、半導体用ヒートシンク材、電気接点、及び放電用電
極に用いられている。
【0003】上記のMo−Cu板材を製造する際には、
一般に、まず、Mo焼結体を製造した後、Mo焼結体中
にCuを溶融含浸して、Mo−Cu焼結体を得て、この
Mo−Cu焼結体を板材に加工している(以下含浸法と
いう)。一方、予めMo粉とCu粉とを準備して、これ
らMo粉とCu粉とを所定の割合で混合して混合粉を得
て、この混合粉をプレス成型及び焼結によってMo−C
u焼結体とし、Mo−Cu焼結体を板材に加工すること
も行われている(以下混合法という)。
一般に、まず、Mo焼結体を製造した後、Mo焼結体中
にCuを溶融含浸して、Mo−Cu焼結体を得て、この
Mo−Cu焼結体を板材に加工している(以下含浸法と
いう)。一方、予めMo粉とCu粉とを準備して、これ
らMo粉とCu粉とを所定の割合で混合して混合粉を得
て、この混合粉をプレス成型及び焼結によってMo−C
u焼結体とし、Mo−Cu焼結体を板材に加工すること
も行われている(以下混合法という)。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上記の含浸
方法では、Mo焼結体中にCuを含浸する際の含浸調整
が極めて難しく、このため、Cu含浸量のばらつきが発
生してしまう。つまり、Mo焼結体における気孔率の調
整が困難であるから、予め設定した量のCuをモリブデ
ン焼結体に溶融含浸させることが難しいという問題点が
あり、板材とした際の歩留まりが低下してしまう。さら
に、溶融含浸の際、かなり処理温度を上げる必要があ
り、含浸炉周辺部材がCu等で汚染されてしまうという
問題点がある。
方法では、Mo焼結体中にCuを含浸する際の含浸調整
が極めて難しく、このため、Cu含浸量のばらつきが発
生してしまう。つまり、Mo焼結体における気孔率の調
整が困難であるから、予め設定した量のCuをモリブデ
ン焼結体に溶融含浸させることが難しいという問題点が
あり、板材とした際の歩留まりが低下してしまう。さら
に、溶融含浸の際、かなり処理温度を上げる必要があ
り、含浸炉周辺部材がCu等で汚染されてしまうという
問題点がある。
【0005】さらに、含浸方法の場合には、Mo−Mo
の結合が存在し、このMo−Mo結合力によって加工性
が悪くなってしまう。つまり、Mo−Mo結合力が加工
を阻むことになってしまう。加えて、含浸方法では内部
の空孔をなくすため、余剰の銅素材を接し、含浸させる
必要があり、このため、表層の余剰銅部が存在すること
のなる。このことは実質的に切削加工の量(全加工量に
対する)を増大させ、しいては本質的に特性を左右する
銅量のバラツキも生じさせることになる。
の結合が存在し、このMo−Mo結合力によって加工性
が悪くなってしまう。つまり、Mo−Mo結合力が加工
を阻むことになってしまう。加えて、含浸方法では内部
の空孔をなくすため、余剰の銅素材を接し、含浸させる
必要があり、このため、表層の余剰銅部が存在すること
のなる。このことは実質的に切削加工の量(全加工量に
対する)を増大させ、しいては本質的に特性を左右する
銅量のバラツキも生じさせることになる。
【0006】一方、混合法では、焼結体の密度を上げる
ためには、焼結温度を高く設定する必要があるが、焼結
温度を高く設定すると、Cuが溶出してしまうという問
題点がある。Cuの溶出を防止するため、焼結温度を低
しすぎると、上述のように焼結体の密度が低くなってし
まい、強度、熱伝導度、及び熱膨脹率等の特性が著しく
低下してしまう。さらに、焼結体を塑性加工する際、端
部に割れが生じるばかりでなく中央部にクラックガ生じ
てしまうことが多く、歩留まりが低下してしまうという
問題点もある。
ためには、焼結温度を高く設定する必要があるが、焼結
温度を高く設定すると、Cuが溶出してしまうという問
題点がある。Cuの溶出を防止するため、焼結温度を低
しすぎると、上述のように焼結体の密度が低くなってし
まい、強度、熱伝導度、及び熱膨脹率等の特性が著しく
低下してしまう。さらに、焼結体を塑性加工する際、端
部に割れが生じるばかりでなく中央部にクラックガ生じ
てしまうことが多く、歩留まりが低下してしまうという
問題点もある。
【0007】さらに、混合法では、緻密化の完全性を求
めるために高温処理しなければならず、この結果、表層
へのCu浸み出しによって余剰銅部が存在することにな
る。このことは実質的に切削加工の量(全加工量に対す
る)を増大させ、しいては本質的に特性を左右する銅量
のバラツキも生じさせることになる。
めるために高温処理しなければならず、この結果、表層
へのCu浸み出しによって余剰銅部が存在することにな
る。このことは実質的に切削加工の量(全加工量に対す
る)を増大させ、しいては本質的に特性を左右する銅量
のバラツキも生じさせることになる。
【0008】本発明の目的は強度、熱伝導度、及び熱膨
脹率等の特性が良好な緻密化したモリブデン複合板材を
提供することにある。
脹率等の特性が良好な緻密化したモリブデン複合板材を
提供することにある。
【0009】本発明の他の目的は歩留まりの極めて良い
モリブデン複合板材の製造方法を提供することにある。
モリブデン複合板材の製造方法を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明によれば、モリブ
デン基表面上に銅層が形成され、該銅の含有量が5乃至
50重量%であることを特徴とするモリブデン複合粉が
得られる。このモリブデン複合粉は所定の圧力でプレス
成型された後、温度1100℃乃至1300℃で焼結さ
れ、さらに、圧延加工によってモリブデン複合板材に製
造される。なお、プレス加工に当たって、モリブデン複
合粉に所定量の銅粉を混合して混合粉とした後、この混
合粉をプレス加工するようにしてもよい。そして、上述
のようにして製造された焼結体は相対密度が90%以上
であり、モリブデン複合板材は5乃至50重量%の銅を
含有する。
デン基表面上に銅層が形成され、該銅の含有量が5乃至
50重量%であることを特徴とするモリブデン複合粉が
得られる。このモリブデン複合粉は所定の圧力でプレス
成型された後、温度1100℃乃至1300℃で焼結さ
れ、さらに、圧延加工によってモリブデン複合板材に製
造される。なお、プレス加工に当たって、モリブデン複
合粉に所定量の銅粉を混合して混合粉とした後、この混
合粉をプレス加工するようにしてもよい。そして、上述
のようにして製造された焼結体は相対密度が90%以上
であり、モリブデン複合板材は5乃至50重量%の銅を
含有する。
【0011】また、モリブデン複合粉の製造に当たって
は、モリブデン粉又はモリブデン酸化物粉を銅塩類溶液
中に入れて、攪拌乾燥して乾燥物を得、この乾燥物を還
元してモリブデン基表面上に5乃至50重量%の銅層を
形成する。なお、電解メッキ法又は無電解メッキ法を用
いてモリブデン粉表面上に5乃至50重量%の銅層を形
成するようにしてもよい。
は、モリブデン粉又はモリブデン酸化物粉を銅塩類溶液
中に入れて、攪拌乾燥して乾燥物を得、この乾燥物を還
元してモリブデン基表面上に5乃至50重量%の銅層を
形成する。なお、電解メッキ法又は無電解メッキ法を用
いてモリブデン粉表面上に5乃至50重量%の銅層を形
成するようにしてもよい。
【0012】
【実施例】以下本発明について実施例によって説明す
る。
る。
【0013】(1).まず、200gの銅(Cu)を含
有するCuCl2水溶液を準備して、このCuCl2水
溶液中に粒径3μmのモリブデン(Mo)粉を800g
を入れ、攪拌しつつ乾燥させた(以下乾燥物という、工
程1)。次に、この乾燥物を温度750℃の水素炉中で
還元してCuを含有するMo粉末を生成した(以下Cu
−Mo複合粉という、工程2)。
有するCuCl2水溶液を準備して、このCuCl2水
溶液中に粒径3μmのモリブデン(Mo)粉を800g
を入れ、攪拌しつつ乾燥させた(以下乾燥物という、工
程1)。次に、この乾燥物を温度750℃の水素炉中で
還元してCuを含有するMo粉末を生成した(以下Cu
−Mo複合粉という、工程2)。
【0014】さらに、電解銅200gと粒径3μmのM
o粉800gとをボールミルで混合して、Cu−Mo混
合粉を生成した。
o粉800gとをボールミルで混合して、Cu−Mo混
合粉を生成した。
【0015】これらCu−Mo複合粉及びCu−Mo混
合粉をそれぞれ294MPaの圧力でプレス成型して複
合粉プレス成型体及び混合粉プレス成型体を得た。そし
て、これら複合粉プレス成型体及び混合粉プレス成型体
を焼結温度を変化させてそれぞれ2時間焼結して複合粉
焼結体及び混合粉焼結体を得た。これら複合粉焼結体及
び混合粉焼結体の密度を測定したところ、図1に示す結
果が得られた。
合粉をそれぞれ294MPaの圧力でプレス成型して複
合粉プレス成型体及び混合粉プレス成型体を得た。そし
て、これら複合粉プレス成型体及び混合粉プレス成型体
を焼結温度を変化させてそれぞれ2時間焼結して複合粉
焼結体及び混合粉焼結体を得た。これら複合粉焼結体及
び混合粉焼結体の密度を測定したところ、図1に示す結
果が得られた。
【0016】図1に示すように、焼結温度を高くするに
つれて複合粉焼結体及び混合粉焼結体ともにその密度が
上昇して行くが、混合粉焼結体の方が密度の上昇率が大
きいことがわかる。つまり、複合粉焼結体では焼結温度
の違いによってその密度があまり変化せず、焼結温度が
低くても高い密度が得られることが容易に理解できる。
つれて複合粉焼結体及び混合粉焼結体ともにその密度が
上昇して行くが、混合粉焼結体の方が密度の上昇率が大
きいことがわかる。つまり、複合粉焼結体では焼結温度
の違いによってその密度があまり変化せず、焼結温度が
低くても高い密度が得られることが容易に理解できる。
【0017】さらに、これら焼結温度1100℃で焼結
された複合粉焼結体及び混合粉焼結体の組成を光学顕微
鏡で観察したところ、複合粉焼結体では混合粉焼結体に
比べて空孔が極めて少ない。
された複合粉焼結体及び混合粉焼結体の組成を光学顕微
鏡で観察したところ、複合粉焼結体では混合粉焼結体に
比べて空孔が極めて少ない。
【0018】(2).次に、上記(1)で用いたCu−
Mo複合粉800gに電解銅粉114.3gを入れ、V
ミキサーで混合して、30%のCuをとなるCu−Mo
複合粉を生成した(以下30%Cu−Mo複合粉とい
う)。そして、この30%Cu−Mo複合粉を圧力29
4MPaでプレス成型して、プレス成型体とし、水素雰
囲気中で種々の焼結温度に変化させて2時間焼結した。
そして、焼結温度の相違による密度の変化を比較した。
その結果を図2に示す。図2に示すように焼結体の密度
は焼結温度が高くなるに従って高くなるが、焼結温度が
約1000℃でも相対密度は約88%であり、十分な密
度に焼結できることがわかる。
Mo複合粉800gに電解銅粉114.3gを入れ、V
ミキサーで混合して、30%のCuをとなるCu−Mo
複合粉を生成した(以下30%Cu−Mo複合粉とい
う)。そして、この30%Cu−Mo複合粉を圧力29
4MPaでプレス成型して、プレス成型体とし、水素雰
囲気中で種々の焼結温度に変化させて2時間焼結した。
そして、焼結温度の相違による密度の変化を比較した。
その結果を図2に示す。図2に示すように焼結体の密度
は焼結温度が高くなるに従って高くなるが、焼結温度が
約1000℃でも相対密度は約88%であり、十分な密
度に焼結できることがわかる。
【0019】(3).上記の(1)で得られた複合粉焼
結体及び混合粉焼結体を圧延加工してそれぞれ複合粉板
材及び混合粉板材を作成したところ、複合粉板材ではク
ラック及び割れ等がほとんど発生しなかったのに対して
混合粉板材ではクラック及び割れが多量に発生し使い物
にならなかった。
結体及び混合粉焼結体を圧延加工してそれぞれ複合粉板
材及び混合粉板材を作成したところ、複合粉板材ではク
ラック及び割れ等がほとんど発生しなかったのに対して
混合粉板材ではクラック及び割れが多量に発生し使い物
にならなかった。
【0020】(4)上記の(1)と同様の方法を用いる
ことによって5%乃至50%のCuを含有するCu−M
o複合粉を生成して、これら複合粉を所定の焼結温度で
焼結して焼結体を得、これら焼結体を圧延して複数の圧
延体(板材)を得た。そして、これら圧延体の熱伝導度
及び熱膨脹係数を測定した。さらに、参考のため、純モ
リブデン粉を用いた圧延体及び純銅を用いた圧延体を作
成し、これら圧延体の熱伝導度及び熱膨脹係数を測定し
た。この測定結果を図3に示す。図3に示すように、銅
の含有量が増加するに従って熱伝導度及び熱膨脹係数が
増加することがわかる。
ことによって5%乃至50%のCuを含有するCu−M
o複合粉を生成して、これら複合粉を所定の焼結温度で
焼結して焼結体を得、これら焼結体を圧延して複数の圧
延体(板材)を得た。そして、これら圧延体の熱伝導度
及び熱膨脹係数を測定した。さらに、参考のため、純モ
リブデン粉を用いた圧延体及び純銅を用いた圧延体を作
成し、これら圧延体の熱伝導度及び熱膨脹係数を測定し
た。この測定結果を図3に示す。図3に示すように、銅
の含有量が増加するに従って熱伝導度及び熱膨脹係数が
増加することがわかる。
【0021】上述のように、本実施例では、Mo粉表面
上にCu層を形成する際、Cu塩類水溶液中にMo粉を
入れて攪拌しつつ乾燥させてMo粉表面上にCu塩類を
付着させている。そして、この乾燥粉を還元雰囲気中で
還元してMo粉表面上にCu層を形成している。このよ
うに、Mo粉をCu塩類水溶液でドープしているから、
Mo粉表面上の凹部にまでCu塩類水溶液がゆきわた
る。つまり、Mo粉表面上の凹部にもCu塩類が形成さ
れることになり、還元後にはMo粉表面上にまんべんな
くCu層が形成されることになる。従って、このような
Cu−Mo複合粉をプレス成型後焼結すると、CuとM
oとの濡れ性がよく、実質的に銅単体の焼結体と類似す
るものが得られる。このため、焼結温度は低くて高密度
の焼結体が得られることになる。さらに、焼結温度が低
くて済むから、焼結時においてCuの浸み出しがなく、
またCuの揮散もほとんどない。このように、本実施例
では、Cuの浸み出しがないから、切削加工の量(全加
工量に対する)が低下し、しいては本質的に特性を左右
する銅量のバラツキも生じさせることがない。また、上
記のCu−Mo複合粉にCu粉を混合した後、プレス成
型を行い、焼結した焼結体においても同様に低い焼結温
度で高密度とすることができる。
上にCu層を形成する際、Cu塩類水溶液中にMo粉を
入れて攪拌しつつ乾燥させてMo粉表面上にCu塩類を
付着させている。そして、この乾燥粉を還元雰囲気中で
還元してMo粉表面上にCu層を形成している。このよ
うに、Mo粉をCu塩類水溶液でドープしているから、
Mo粉表面上の凹部にまでCu塩類水溶液がゆきわた
る。つまり、Mo粉表面上の凹部にもCu塩類が形成さ
れることになり、還元後にはMo粉表面上にまんべんな
くCu層が形成されることになる。従って、このような
Cu−Mo複合粉をプレス成型後焼結すると、CuとM
oとの濡れ性がよく、実質的に銅単体の焼結体と類似す
るものが得られる。このため、焼結温度は低くて高密度
の焼結体が得られることになる。さらに、焼結温度が低
くて済むから、焼結時においてCuの浸み出しがなく、
またCuの揮散もほとんどない。このように、本実施例
では、Cuの浸み出しがないから、切削加工の量(全加
工量に対する)が低下し、しいては本質的に特性を左右
する銅量のバラツキも生じさせることがない。また、上
記のCu−Mo複合粉にCu粉を混合した後、プレス成
型を行い、焼結した焼結体においても同様に低い焼結温
度で高密度とすることができる。
【0022】さらに、本実施例では、Mo粒子の周囲
(表面)にCuが配置されているから、Cu−Moのス
ベリ及びCuの易加工性がそのまま材質の特長となる。
(表面)にCuが配置されているから、Cu−Moのス
ベリ及びCuの易加工性がそのまま材質の特長となる。
【0023】なお、Cu−Mo複合粉の製造に当たって
は、電解メッキ法又は無電解メッキ法を用いても同様に
Cu−Mo複合粉を製造することができる。また、Cu
の含有量は5重量%乃至50重量%であれば、焼結後の
熱膨張率は満足できるものであり、焼結温度は1100
℃乃至1300℃であればよい。
は、電解メッキ法又は無電解メッキ法を用いても同様に
Cu−Mo複合粉を製造することができる。また、Cu
の含有量は5重量%乃至50重量%であれば、焼結後の
熱膨張率は満足できるものであり、焼結温度は1100
℃乃至1300℃であればよい。
【0024】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によるCu
−Mo複合粉を用いれば、高密度の焼結体を簡単に得る
ことができ、しかも板材に加工した際、割れ及びクラッ
クが発生することがほとんどなく、強度、熱伝導度、及
び熱膨脹率等の特性が良好で歩留まりが極めて高くなる
という効果がある。
−Mo複合粉を用いれば、高密度の焼結体を簡単に得る
ことができ、しかも板材に加工した際、割れ及びクラッ
クが発生することがほとんどなく、強度、熱伝導度、及
び熱膨脹率等の特性が良好で歩留まりが極めて高くなる
という効果がある。
【図1】複合粉焼結体及び混合粉焼結体の焼結温度と密
度との関係を示す図である。
度との関係を示す図である。
【図2】複合粉+銅粉の焼結体の焼結温度と密度との関
係を示す図である。
係を示す図である。
【図3】本発明による圧延体の熱伝導率及び熱膨脹率を
説明するための図である。
説明するための図である。
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成4年2月13日
【手続補正1】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図3
【補正方法】変更
【補正内容】
【図3】
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 有川 正 富山県富山市岩瀬古志町2番地 東京タン グステン株式会社富山製作所内 (72)発明者 市田 晃 富山県富山市岩瀬古志町2番地 東京タン グステン株式会社富山製作所内
Claims (7)
- 【請求項1】 モリブデン基表面上に銅層が形成され、
該銅の含有量が5乃至50重量%であることを特徴とす
るモリブデン複合粉。 - 【請求項2】 請求項1に記載されたモリブデン複合粉
を所定の圧力でプレス成型したプレス成型体を得る第1
の工程と、該プレス成型体を温度1100℃乃至130
0℃で焼結して焼結体を得る第2の工程と、該焼結体を
圧延加工してモリブデン複合板材を得る第3の工程とを
有することを特徴とするモリブデン複合板材の製造方
法。 - 【請求項3】 請求項2に記載されたモリブデン複合板
材の製造方法において、前記第1の工程では前記モリブ
デン複合粉に所定量の銅粉が混合され、該混合粉がプレ
スされることを特徴とするモリブデン複合板材の製造方
法。 - 【請求項4】 請求項1に記載されたモリブデン複合粉
を所定の圧力でプレス成型したプレス成型体が温度11
00℃乃至1300℃で焼結され、5乃至50重量%の
銅を含有し、相対密度が90%以上であるモリブデン複
合焼結体。 - 【請求項5】 請求項4に記載された焼結体が圧延加工
され、5乃至50重量%の銅を含有することを特徴とす
るモリブデン複合板材。 - 【請求項6】 モリブデン粉又はモリブデン酸化物粉を
銅塩類溶液中に入れて、攪拌乾燥して乾燥物を得る第1
の工程と、該乾燥物を還元してモリブデン基表面上に5
乃至50重量%の銅層を形成する第2の工程とを有する
ことを特徴とするモリブデン複合粉の製造方法。 - 【請求項7】 電解メッキ法又は無電解メッキ法を用い
てモリブデン粉表面上に5乃至50重量%の銅層を形成
してモリブデン複合粉を得ることを特徴とするモリブデ
ン複合粉の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP4003056A JPH05186802A (ja) | 1992-01-10 | 1992-01-10 | モリブデン複合粉、モリブデン複合板材、及びその製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP4003056A JPH05186802A (ja) | 1992-01-10 | 1992-01-10 | モリブデン複合粉、モリブデン複合板材、及びその製造方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH05186802A true JPH05186802A (ja) | 1993-07-27 |
Family
ID=11546671
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP4003056A Pending JPH05186802A (ja) | 1992-01-10 | 1992-01-10 | モリブデン複合粉、モリブデン複合板材、及びその製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH05186802A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US5493153A (en) * | 1992-11-26 | 1996-02-20 | Tokyo Tungsten Co., Ltd. | Plastic-packaged semiconductor device having a heat sink matched with a plastic package |
Citations (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS4825851A (ja) * | 1971-08-12 | 1973-04-04 | ||
JPH04180534A (ja) * | 1990-11-15 | 1992-06-26 | Tokyo Tungsten Co Ltd | 高熱伝導低膨脹率金属部材及びその製造方法 |
JPH05125407A (ja) * | 1991-11-05 | 1993-05-21 | Tokyo Tungsten Co Ltd | Cu−Mo複合圧延板の製造方法 |
-
1992
- 1992-01-10 JP JP4003056A patent/JPH05186802A/ja active Pending
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