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JPH04237993A - 有機エレクトロルミネッセンス素子及びその製造方法 - Google Patents

有機エレクトロルミネッセンス素子及びその製造方法

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Publication number
JPH04237993A
JPH04237993A JP3016801A JP1680191A JPH04237993A JP H04237993 A JPH04237993 A JP H04237993A JP 3016801 A JP3016801 A JP 3016801A JP 1680191 A JP1680191 A JP 1680191A JP H04237993 A JPH04237993 A JP H04237993A
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JP
Japan
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layer
refractive index
light emitting
hole injection
cladding layer
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Application number
JP3016801A
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English (en)
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JP2846483B2 (ja
Inventor
Chishio Hosokawa
地潮 細川
Tadashi Kusumoto
正 楠本
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Idemitsu Kosan Co Ltd
Original Assignee
Idemitsu Kosan Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Idemitsu Kosan Co Ltd filed Critical Idemitsu Kosan Co Ltd
Priority to JP3016801A priority Critical patent/JP2846483B2/ja
Publication of JPH04237993A publication Critical patent/JPH04237993A/ja
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Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は有機エレクトロルミネッ
センス素子及びその製造方法に関し、詳しくは導波路構
造を有し、低電圧で高輝度の端面発光が可能な有機エレ
クトロルミネッセンス素子及びその効率のよい製造方法
に関する。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】従来、
有機化合物の高い蛍光効率に着目し、有機化合物のエレ
クトロルミネッセンス(EL)性能を利用した素子の研
究が数多く行われている。例えば、陽極,正孔注入層,
発光層,陰極を積層してなる有機エレクトロルミネッセ
ンス素子(以下、有機EL素子と記す。)としては、正
孔注入層としてフタロシアニン,発光層として結着剤で
あるポリスチレン等のポリマー及び芳香族化合物を用い
た有機EL素子(特公昭64−7653号公報参照)が
開示されている。しかし、この素子内にクラッド層とコ
アー層を形成するように屈折率を設定するようになって
おらず、発光層(コアー層)が導波路として機能してい
なかった。また、Au,トリフェニルアミン誘導体,ペ
リノン誘導体,ペリレン誘導体,陰極を積層してなる有
機EL素子(Jpn.J.Appl.Phy.27(1
988)L713参照)も上記素子と同様に導波路を有
していなかった。一方、端面発光構造を持つEL素子と
しては、共通電極層,第1絶縁層,蛍光体層,第2絶縁
層,励起電極層からなる無機EL素子(米国特許第4,
535,341号明細書参照)が挙げられる。この素子
は、蛍光体層にマンガン含有の硫化亜鉛を用いMISI
M(金属/第1絶縁層/半導体層/第2絶縁層/金属)
の構成をとりかつS層(半導体層)を光を導波させるこ
とにより、輝度を従来の30〜40倍に高めることがで
きた。しかし、この素子の駆動電圧は200Vを以上必
要とし、使用範囲に限界があった。また、上記端面発光
構造体をアレー状に配列させ感光体プリンター等に利用
される無機EL素子(特開平2−195679号公報,
同2−194976号公報,同2−158361号公報
等参照)があるが、高輝度,高効率を与える発光材料は
、マンガン含有の硫化亜鉛(発光色は黄色),テルビニ
ウム含有の硫化亜鉛化合物(発光色は緑色)だけであり
、多くの発光色を実現するのは困難であった。そこで本
発明者らは、導波路を有し、高輝度,高効率発光の有機
EL素子を開発すべく鋭意研究を重ねた。
【0003】
【課題を解決するための手段】その結果、特定の屈折率
を有するクラッド層,コア層からなる導波路構造を用い
ることによって、高輝度,高効率発光及び多色発光が可
能であることを見出した。本発明は、かかる知見に基づ
いて完成したものである。すなわち本発明は、陽極,正
孔注入帯域,電子注入帯域,陰極がこの順で積層される
と共に、前記陽極と陰極の間に導波路構造を有すること
を特徴とする有機エレクトロルミネッセンス素子および
その製造方法を提供するものである。本発明の有機EL
素子は、図1において簡略に示される。図1に示すよう
に本発明のEL素子は、陽極1,正孔注入帯域2,電子
注入帯域3,陰極4を積層してなる。さらに正孔注入帯
域2,電子注入帯域3は、図2に示すようにクラッド層
(A)5,コアー層6,クラッド層(B)7に光学機能
ごとに分けて考えることができる。
【0004】この有機EL素子における陽極1は、仕事
関数の大きい(4eV以上)金属,合金,電気伝導性化
合物及びこれらの混合物を電極物質とするものが好まし
く用いられる。このような電極物質の具体例としてはA
uなどの金属,CuI,ITO,SnO2 , ZnO
などの誘電性透明材料が挙げられる。該陽極は、これら
の電極物質を蒸着やスパッタリングなどの方法により、
薄膜を形成させることによって作製することができる。 この電極より発光を取り出す場合には、透過率を10%
より大きくすることが望ましく、また、電極としてのシ
ート抵抗は数百Ω/□以下が好ましい。さらに膜厚は材
料にもよるが、通常10nm〜1μm,好ましくは10
〜200nmの範囲で選ばれる。
【0005】一方、陰極4としては、仕事関数の小さい
( 4eV以下)金属,合金,電気伝導性化合物及びこ
れらの混合物を電極物質とするものが用いられる。この
ような電極物質の具体例としては、ナトリウム,ナトリ
ウム−カリウム合金,マグネシウム,リチウム,マグネ
シウム/銅混合物,Al/Al2O3,インジウムなど
が挙げられる。該陰極は、これらの電極物質を蒸着やス
パッタリングなどの方法により、薄膜を形成させること
により、作製することができる。また、電極としてのシ
ート抵抗は数百Ω/□以下が好ましく、膜厚は通常10
〜500nm,好ましくは50〜200nmの範囲で選
ばれる。
【0006】正孔注入帯域2は、陽極より注入された正
孔を電荷が再結合する迄輸送する帯域である。この正孔
注入帯域2は、正孔注入層そのもののみであってもよい
し、正孔輸送性が高い(正孔移動度が電子移動度より大
きい)発光層の場合には、発光層の陽極側より陰極側の
発光層と他の層との界面付近迄が正孔注入帯域になりえ
る。従って、正孔注入帯域は、正孔注入層のみ,正孔注
入層及び発光層,発光層のみのいずれかであり、正孔注
入帯域は正孔注入層と一致する必要はない。ただし、電
子注入帯域が、発光層を含まない場合は、正孔注入帯域
に発光層が存在することが必要である。電子注入帯域3
は、陰極より注入された電子を電荷が再結合する迄輸送
する帯域である。この電子注入帯域3は、電子注入層そ
のもののみであってもよいし、電子輸送性が高い(電子
移動度が正孔移動度より大きい)発光層の場合には、発
光層の陰極側より陽極側の発光層と他の層との界面付近
迄が電子注入帯域になりえる。従って、電子注入帯域は
、電子注入層のみ,電子注入層及び発光層,発光層のみ
のいずれかであり、電子注入帯域は電子注入層に一致す
る必要はない。ただし、正孔注入帯域が、発光層を含ま
ない場合は、電子注入帯域に発光層が存在する必要があ
る。
【0007】本発明の特徴である導波路構造の一部であ
るクラッド層(A)5及びクラッド層(B)7は、コア
ー層6の屈折率より小さい屈折率を有する層である。通
常、陽極/正孔注入層/発光層/電子注入層/陰極より
なる積層構成においては、正孔注入層と電子注入層をク
ラッド層とし、コアー層を発光層とする場合があるが本
発明はこれに限定されない。例えば、正孔注入層と電子
注入層が公知の有機材料よりなるとき、これらの屈折率
を発光層の屈折率より小さくすることは困難である。こ
の場合、例えば正孔注入層を正孔注入材料と屈折率の小
さな材料との混合層として形成し、コアー層より屈折率
を小さくする。このことが本発明を特徴づけるクラッド
層の製造方法である。この様な屈折率の小さな材料は、
例えば、テフロン系ポリマーであり具体的にはテトラフ
ルオロエチレンと少なくとも一種のコモノマーを含む混
合物との共重合体が挙げられる。他の一例としてMgF
2,SrF2,CaF2,等のフッ化アルカリ金属物が
挙げられる。このフッ化アルカリ金属物は屈折率が1.
5〜1.3と小さい。また、前記共重合体は蒸着が可能
であり、正孔注入材料と同時に蒸着,混合してクラッド
層を形成することにより、屈折率がコアー層より小さく
正孔注入性を有するクラッド層を得ることができる。こ
こで使用する正孔注入材料としては、公知の種々のもの
があるが、従来正孔注入輸送層又は正孔注入層の材料と
して知られているものを用いればよい。EL素子におけ
る正孔注入輸送層は、正孔伝達化合物から成る層であっ
て、陽極より注入された正孔を発光層に伝達する機能を
有する。この正孔注入輸送層を陽極と発光層との間に介
在させることにより、一層低い電界で多くの正孔が発光
層に注入され、その上、発光層に陰極又は電子注入輸送
層より注入された電子は、発光層と正孔注入輸送層の界
面に存在する電子の障壁により、この発光層内の界面付
近に蓄積され発光効率が向上するなど、発光性能の優れ
た素子となる。前記正孔注入輸送層に用いられる正孔伝
達化合物は、電界を与えられた2個の電極間に配置され
て陽極から正孔が注入された場合、該正孔を適切に発光
層へ伝達しうる化合物であって、例えば104 〜10
6 V/cmの電界印加時に,少なくとも10−6cm
2 /V・秒の正孔移動度をもつものが好適である。
【0008】このような正孔伝達化合物については、前
記の好ましい性質を有するものであれば特に制限はなく
、従来、光導伝材料において、正孔の電荷輸送材として
慣用されているものやEL素子の正孔注入輸送層に使用
される公知のものの中から任意のものを選択して用いる
ことかできる。該電荷輸送材としては、例えばトリアゾ
ール誘導体(米国特許第 3,112,197号明細書
などに記載のもの)、オキサジアゾール誘導体(米国特
許第 3,189,447号明細書などに記載のもの)
、イミダゾール誘導体(特公昭37−16096号公報
などに記載のもの)、ポリアリールアルカン誘導体(米
国特許第 3,615,402号明細書、同 3,82
0,989号明細書、同 3,542,544号明細書
、特公昭45−555号公報、同51−10983号公
報、特開昭51−93224号公報、同55−1710
5号公報、同56−4148号公報、同55−1086
67号公報、同55− 156953号公報、同56−
36656号公報などに記載のもの)、ピラゾリン誘導
体及びピラゾロン誘導体(米国特許第 3,180,7
29号明細書、同 4,278,746号明細書、特開
昭55−88064号公報、同55−88065号公報
、同49−105537 号公報、同55−51086
号公報、同56−80051号公報、同56−8814
1号公報、同57− 45545 号公報、同54−1
12637 号公報、同55−74546号公報などに
記載のもの)、フェニレンジアミン誘導体(米国特許第
 3,615,404号明細書、特公昭51−1010
5号公報、同46−3712 号公報、同47−253
36号公報、特開昭54−53435号公報、同54−
110536号公報、同54−119925 号公報な
どに記載のもの)、アリールアミン誘導体(米国特許第
 3,567,450号明細書、同 3,180,70
3号明細書、同 3,240,597号明細書、同 3
,658,520号明細書、同 4,232,103号
明細書、同 4,175,961号明細書、同 4,0
12,376号明細書、特公昭49−35702号公報
、同36−27577号公報、特開昭55−14425
0 号公報、同56−119132 号公報、同56−
22437号公報、西独特許第 1,110,518号
明細書などに記載のもの)、アミノ置換カルコン誘導体
(米国特許第 3,526,501号明細書などに記載
のもの)、オキサゾール誘導体(米国特許第 3,25
7,203号明細書などに記載のもの)、スチリルアン
トラセン誘導体(特開昭56−46234号公報などに
記載のもの)、フルオレノン誘導体(特開昭54−11
0837 号公報などに記載のもの)、ヒドラゾン誘導
体(米国特許第 3,717,462号明細書、特開昭
54−59143号公報、同55−52063号公報、
同55−52064号公報、同55−46760号公報
、同55−85495号公報、同57−11350号公
報、同57−148749 号公報などに記載されてい
るもの)、スチルベン誘導体(特開昭61−21036
3 号公報、同61−228451 号公報、同61−
14642号公報、同61−72255号公報、同62
−47646号公報、同62−36674号公報、同6
2−10652号公報、同62−30255号公報、同
60−93445号公報、同60−94462号公報、
同60−174749 号公報、同60−175052
 号公報などに記載のもの)などを挙げることができる
。本発明においては、これらの化合物を正孔伝達化合物
として使用することができるが、次に示すポリフィリン
化合物(特開昭63−295695号公報などに記載の
もの)及び芳香族第三級アミン化合物及びスチリルアミ
ン化合物(米国特許第 4,127,412号明細書、
特開昭53−27033号公報、同54−58445号
公報、同54−149634 号公報、同54−642
99号公報、同55−79450号公報、同55−14
4250 号公報、同56−119132 号公報、同
61−295558 号公報、同61−98353号公
報、同63−295695 号公報などに記載のもの)
、特に該芳香族第三級アミン化合物を用いることが好ま
しい。
【0009】該ポリフィリン化合物の代表例としては、
ポリフィン、1,10, 15, 20−テトラフェニ
ル−21H,23H−ポルフィン銅(II) 、1, 
10, 15, 20 −テトラフェニル−21H, 
23H−ポルフィン亜鉛(II) 、5, 10, 1
5, 20 −テトラキス(ペンタフルオロフェニル)
−21H, 23H−ポルフィン、シリコンフタロシア
ニンオキシド、アルミニウムフタロシアニンクロリド、
フタロシアニン(無金属)、ジリチウムフタロシアニン
、銅テトラメチルフタロシアニン、銅フタロシアニン、
クロムフタロシアニン、亜鉛フタロシアニン、鉛フタロ
シアニン、チタニウムフタロシアニンオキシド、マグネ
シウムフタロシアニン、銅オクタメチルフタロシアニン
などが挙げられる。 また、該芳香族第三級アミン化合物及びスチリルアミン
化合物の代表例としては、N,N,N’, N’ −テ
トラフェニル−4,4’ −ジアミノビフェニル、N,
N’ −ジフェニル−N,N’ −ジ(3−メチルフェ
ニル)−4,4’ −ジアミノビフェニル、2,2−ビ
ス(4−ジ−p−トリルアミノフェニル)プロパン、1
,1−ビス(4−ジ−p−トリルアミノフェニル)シク
ロヘキサン、N,N,N’,N’ −テトラ−p−トリ
ル−4,4’ −ジアミノビフェニル、1,1−ビス(
4−ジ−p−トリルアミノフェニル)−4−フェニルシ
クロヘキサン、ビス(4−ジメチルアミノ−2−メチル
フェニル)フェニルメタン、ビス(4−ジ−p−トリル
アミノフェニル)フェニルメタン、N,N’ −ジフェ
ニル−N,N’ −ジ(4−メトキシフェニル)−4,
4’ −ジアミノビフェニル、N,N,N’,N’ −
テトラフェニル−4,4’ −ジアミノジフェニルエー
テル、4,4’ −ビス(ジフェニルアミノ)クオード
リフェニル、N,N,N−トリ(p−トリル)アミン、
4−(ジ−p−トリルアミノ)−4’ −〔4−(ジ−
p−トリルアミノ)スチリル〕スチルベン、4−N,N
−ジフェニルアミノ−(2−ジフェニルビニル)ベンゼ
ン、3−メトキシ−4’ −N,N−ジフェニルアミノ
スチルベン、N−フェニルカルバゾールなどが挙げられ
る。本発明のEL素子における該正孔注入輸送層は、こ
れらの正孔伝達化合物1種又は2種以上から成る1層で
構成されていてもよいし、あるいは、前記層とは別種の
化合物からなる正孔注入輸送層を積層したものであって
もよい。また、電子注入材料としては、公知の種々のも
のがあるが、従来から電子注入輸送層又は電子注入層の
材料として知られているものを用いる。電子注入輸送層
は、電子伝達化合物から成るものであって、陰極より注
入された電子を発光層に伝達する機能を有している。こ
のような電子伝達化合物について特に制限はなく、従来
公知の化合物の中から任意のものを選択して用いること
ができる。該電子伝達化合物の好ましい例としては、
【0010】
【化1】
【0011】などのニトロ置換フルオレノン誘導体、

0012】
【化2】
【0013】などのチオピランジオキシド誘導体、
【0
014】
【化3】
【0015】( t−Bu:ターシャリーブチル基を示
す)などのジフェニルキノン誘導体〔ポリマー・プレプ
リント(PolymerPreprints)、ジャパ
ン」第37巻、第3号、第681 頁(1988年)な
どに記載のもの〕、あるいは
【0016】
【化4】
【0017】などの化合物〔ジャパニーズ・ジャーナル
・オブ・アプライド・フィジャクス(J.J. App
l. Phys.) 」第27巻、L269 (198
8 年)などに記載のもの〕や、アントラキノジメタン
誘導体(特開昭57−149259 号公報、同58−
55450号公報、同61−225151 号公報、同
61−233750 号公報、同63−104061 
号公報などに記載のもの)、フレオレニリデンメタン誘
導体(特開昭60−69657号公報、同61−143
764 号公報、同61−148159 号公報などに
記載のもの)、アントロン誘導体(特開昭61−225
151 号公報、同61−233750 号公報などに
記載のもの)、
【0018】
【化5】
【0019】「App. Phys. Lett.」第
55巻、第1489頁(1989 年) に開示されて
いるオキサジアゾール誘導体などを挙げることができる
。さらに無機物であるp型α−Si,p型α−SiCに
よる正孔注入材料、n型α−Si,n型α−SiCによ
る電子注入材料を電荷注入材料として用いることができ
る。例えば、国際公開WO90/05998に開示され
ている無機半導体等が挙げられる。一方、発光材料とし
ては公知の種々のものがあるが、例えば3−(2’−N
−メチルベンゾイミダゾリル)−7−N,N−ジエチル
アミノクマリン(クマリン30)に代表されるクマリン
系(特願平1−009995号明細書参照),フタロペ
リノン系(J.Appl.Phys.第27巻,L71
3(1988年)参照),ベンツオキサゾリル又はベン
ツチアゾール系(特開昭59−194393号公報参照
),金属キレート化オキシノイド化合物(特開昭63−
295695号公報参照),スチルベン化合物(EP0
319881又はEP0373582参照)及びペリレ
ン系化合物等が挙げられる。ここで用いられる少なくと
も一種のコモノマーとしては、例えばテトラフルオロエ
チレンと共重合して共重合体を形成するコモノマーであ
れば限定されるものでないが、下記式■
【0020】
【化6】
【0021】(上記式■において、X,X’は、F,C
lまたはHであって、同一であっても異なっていてもよ
い。またRは、−CF=CF−または
【0022】
【化7】
【0023】(R’,R”は、F,Cl,−COF,ア
ルキル基置換オキシカルボニル基,アルキル基,過フッ
化アルキル基,水素含有フッ化アルキル基(アルキル基
は炭素数1〜6)である。) で示されるコモノマーが好ましい。式■のコモノマーの
うち特に好ましい例としては、下記式■
【0024】
【化8】
【0025】(上記式■において、X=X’=F,  
R=
【0026】
【化9】
【0027】(R’=R”=CF3 ))で示されるコ
モノマー,下記式■
【0028】
【化10】
【0029】(上記式■において、X=X’=F,  
R=
【0030】
【化11】
【0031】(R’=R”=F)) で示されるコモノマー,下記式■
【0032】
【化12】
【0033】(上記式■において、X=X’=F,R=
−CF=CF−) で示されるコモノマーを挙げることができる。前記式■
で示されるコモノマーの含有量は、テトラフルオロエチ
レンとこのコモノマーとの総量に対して0.01〜99
重量%が好ましい。特に好ましくは、11〜80重量%
である。また、他のコモノマーとしては、エチレン;1
−ブテン;イソブチレン;トリフルオロプロペン;トリ
フルオロエチレン;クロロトリフルオロエチレン等のオ
レフィンコモノマー;フッ化ビニル;フッ化ビニリデン
等のビニルコモノマー;パーフルオロプロペン;パーフ
ルオロ(アルキルビニルエーテル);メチル3−(1−
(ジフルオロ−((トリフルオロエテニル)オキシ)メ
チル)−1,2,2,2−テトラフルオロエトキシ)−
2,2,3,3−テトラフルオロプロパノエート;3−
(1−(ジフルオロ−((トリフルオロエテニル)オキ
シ)メチル)−1,2,2,2−テトラフルオロエトキ
シ)−2,2,3,3−テトラフルオロプロピオネート
;2−(1−(ジフルオロ−((トリフルオロエテニル
)オキシ)メチル)−1,2,2,2−テトラフルオロ
エトキシ)−1,1,2,2−テトラフルオロエタンス
ルホニルフルオライド等のパーフルオロコモノマー等が
挙げられる。上記コモノマーの含有量は、テトラフルオ
ロエチレンと前記式■で示されるコモノマーとの総量に
対して0.005〜30重量%、特に1〜15重量%で
あることが好ましい。なお、上記コモノマーを前記式■
で示されるコモノマーと併用する場合には、上記コモノ
マーの含有量がテトラフルオロエチレン、前記式■で示
されるコモノマー及び上記コモノマーの各含有量の中で
最小となるようにすることが好ましい。また、フッ化ア
ルカリ金属などの低屈折率の無機材料は、抵抗加熱又は
電子ビーム加熱により真空槽内で容易に蒸着できる。し
たがってクラッド層を形成する有機材料と上記低屈折率
の無機材料との共蒸着により新たなクラッド層を形成す
ることができる。
【0034】上記正孔注入材料または電子注入材料(電
荷注入材料)と上記屈折率の小さな材料の混合比は任意
であるが電荷注入材料の観点より考えれば、電荷注入材
料の混合比は30重量%以上が好ましい。この電荷注入
材料の混合比を選定するにあたっては、感光体における
ポリマーと正孔注入材料の混合比に依存する正孔移動度
の実験結果を参酌すべきである(Philos.Mag
.B53,193(1986)等参照)。以上の様なク
ラッド層の作製方法によれば、得られるクラッド層の屈
折率は、例えば、有機電荷注入材料の屈折率が通常1.
45〜1.6であり、低屈折材料の屈折率がテフロンA
Fの場合は1.29〜1.32,MgF2 の場合は1
.38であることから、両者の中間の値となる。このよ
うなクラッド層の屈折率の最も簡単な推定方法は、次の
式クラッド層=(電荷注入材料の屈折率)×(重量%)
/100+(低屈折材料の屈折率)×(重量%)/10
0と重量平均で見積もられるが、クラッド層となる膜の
緻密性等の影響を受けることから概算値しか得ることが
できない。 クラッド層が薄膜のみからなる場合は、公知である屈折
率の計測技術(エリプソメーター等)により計測し導波
路を設計するのがよい。
【0035】コアー層6は、本発明のEL素子の一つの
態様として、発光層となる場合がある。発光層をコアー
層にする場合は、発光材料が有機材料であることから屈
折率が1.4〜1.6である。従って、前記クラッド層
の形成技術を用いてクラッド層の屈折率をコアー層の屈
折率より小さくすればよい。特にコアー層の屈折率を高
めたい場合には、例えば高屈折率の無機材料と発光材料
を共蒸着しコアー層を形成すればよい。このとき用いら
れる無機材料は、例えばAs2 S3 ,As40S1
0,S40Ge10等のカルコゲノイドガラス系(屈折
率2.2〜2.4),ZnO,Nb2 O5 ,Ta2
 O5 ,Si3 N4 ,TiO2 等の金属酸化物
及び窒化物系(屈折率1.9〜2.3)、InP,Ga
As,CdS,Ge,ZnS等の半導体系(屈折率2.
8〜4.1)が挙げられる。好ましくは、透明性が高く
、EL発光を吸収しないZnO,Nb2 O5 ,Ta
2 O5 等の酸化物系の材料がよい。上記無機材料は
、発光材料の蒸着時に同時に電子ビーム蒸着法及び真空
槽内にて酸素と金属を反応させながら蒸着する反応性蒸
着法により容易に蒸着できる。このように有機発光材料
と無機材料を複合化することにより、高屈折率のコアー
層を形成することができる。
【0036】以上の様にして得られたクラッド層及びコ
アー層は、通常はクラッド層が電荷注入層、コアー層が
発光層として機能するが、他の場合もありえる。例えば
、発光層がクラッド層及びコアー層の両機能を有し、正
孔注入層がクラッド層の機能を有している場合がある。 このときのEL素子は、クラッド層として形成された正
孔注入層上に発光材料を単独で蒸着し発光層(コアー層
)として、次に発光材料と低屈折率材料との共蒸着を行
いクラッド層である発光層を形成することによって得る
ことができる。また、正孔注入層の単一層の内部にクラ
ッド層,コアー層,クラッド層の積層機能を形成するこ
とも可能である。このように、クラッド層,コアー層,
クラッド層の光学上の積層構成は、正孔注入層,発光層
,電子注入層との電気的素子構成とは別個に形成するこ
とができる。
【0037】次に本発明の有機EL素子の動作及び機構
を説明する。図2は、陽極1,正孔注入層であるクラッ
ド層5,発光層6,電子注入層であるクラッド層7及び
陰極4からなる有機EL素子である。この有機EL素子
の陽極及び陰極に発光に必要な電圧を印加することによ
り、図3に示すような角度θで定まる方向(入射角)を
有する導波モード(TEn,TMn,n=0,1,2,
3・・)のみが閉じ込められ伝搬する。この導波モード
は、任意に図3の導波路構造において実現されるもので
はなく、以下に示す条件を満たす必要がある。この条件
を満足させる有機EL素子が、本発明の導波路構造を有
する有機EL素子となる。従来、図4に示されるように
正孔注入層9,発光層10および電子注入層11からな
る三層構成の素子は知られているが、導波路構造は有し
ていなかった。導波路構造を有する素子は、本発明によ
り以下の条件を満足させることによってはじめて得るこ
とができる。第一の条件は、正孔注入層又は発光層であ
るクラッド層の屈折率nS ,電子注入層又は発光層で
あるクラッド層の屈折率nC ,コアー層である発光層
の屈折率nf に対して、           nf >nS かつ  nf >
nC                       
  ・・・(α)である。第二の条件は、少なくとも1
つのTEモード(すなわちTE0 )が存在することで
ある。すなわち、V(1−b)1/2  =π−tan −1((1−b)/b)1/2 −ta
n −1((1−b)/(b+a))1/2     
                         
                         
      ・・・(β)を満足させることができるよ
うなθが、D(コアー層の膜厚)と導波させたい光の波
長λに対して存在することである。ここで、V,a,b
は次のとおりである。 V=(2π/λ)D(nf 2 −ns 2 )1/2
   ・・・(γ)b=(nf 2 sin2 θ−n
s 2 )/  (nf 2 −ns 2 )    
・・・(δ)a=(ns 2 −nc 2 )/(nf
 2 −ns 2 )               
 ・・・(ε)
【0038】このとき、2つのクラッド
層の屈折率が異なる場合、非対称性の尺度aは0ではな
い。従って、Dには下限値が存在することになる。正確
には、式(β)のθが成立するようなDの下限値を、導
入させたい波長λに対して求める訳である。有機物で形
成された2つのクラッド層に対して、aは容易に0.3
以上になりえる。 従って、第2の条件が成立するためには、Dは特に限定
はしないが10nm以上が好ましく、50nm以上が特
に好ましい。さらに、非対称性の尺度aは1以下が好ま
しい。非対称性の尺度aが1より大きい場合、式(β)
より 0.75>  V=(2π/λ)D(nf 2 −ns
 2 )1/2 となり、このときTE0 モードでさ
えも存在しなくなる。ところが、有機物で形成されたク
ラッド層及びコアー層の屈折率ns 及びnf に対し
て、ns >1.3,  nf <1.6  かつns
 <nf であるので 800>λ>400  (nm) の範囲で 100  >  D      (nm)では容易に 0.75  >  V の場合がありえる。具体的な例として nf =1.5,  ns =1.4,  a=1のと
きのVの値を第1表に示す。
【0039】
【表1】
【0040】第1表から、上記条件の場合のVの値は0
.75より小さくなる場合が多く、導波モードが存在し
ない可能性が高い。一方、Dを100nmより大きくで
きる場合は、aに対する制限は著しく緩和される。実際
、Dが大きければ大きい程、導波モードの数が多くなり
好ましいが、該有機EL素子の発光輝度及び電気的効率
を考えた場合、良好値を得るためには1μm以下が好ま
しい。特に、200nm以下が好ましい。また、Dを薄
くしたい場合には、コアー層とクラッド層の屈折率の差
を大きくすればよい。この場合、例えば高屈折率の無機
物と有機物の複合体をコアー層に用いることによって、
aの値が小さくなりDの下限値を下げることが可能とな
る。一方、クラッド層の膜厚の条件は、クラッド層に透
過している導波光の電界強度がクラッド層外に及ばない
ように設定される。例えば、屈折率ns であるクラッ
ド層に対して透過する深さdは、           d=(λ/2π)/(N2 −n
s 2 )1/2     (N=nf sinθ)で
与えられる。ここで、 d=(λ/2π)/(N2 −ns 2 )1/2 で
あることから、dの値を評価しクラッド層の膜厚をdを
超えるように設定するのが好ましい。一般にdは、80
nm程度である。また、特にDの値が小さいときは、電
極である金属による伝搬損失が大きい。例えば、Dが0
.1μmのとき、コアー層と直接電極である金属を接触
させると、TE0 モードで102 dB/cm,TM
0 モードで103 dB/cm程度の減衰を受け伝搬
不可能となる。このように、電極である金属とコアー層
の間にクラッド層をおくことは、導波路構造を有するた
めには必要であり、これが本発明の特徴の一つでもある
【0041】次に、本発明の有機EL素子を製造する好
適な方法の例について説明する。図4に示された有機E
L素子の製造方法について説明すると、まず基板8を公
知の洗剤(UVオゾン洗浄法により有機炭素を除去する
。),イソプロパノール等を用いて洗浄し、乾燥させる
。所望の電極物質、例えば陽極用物質からなる薄膜を1
μm以下、好ましくは50〜200nmの範囲の膜厚に
なるように、蒸着やスパッタリングなどの方法により形
成させ、陽極1を製造する。次に、この上に正孔注入材
料と屈折率の小さな材料(テフロン系ポリマー又はフッ
化アルカリ金属、好ましくはテフロンAF等の共重合ポ
リマー又はMgF2 )の共蒸着を行い、正孔注入層5
を設ける。正孔注入材料の蒸着条件は、使用する化合物
の種類,蒸着膜の目的とする結晶構造,会合構造などに
より異なるが、一般にボート加熱温度200〜450℃
,真空度10−3〜10−5Pa ,蒸着速度0.05
〜1nm/sec,基板温度100℃以下,膜厚5nm
〜5000nm(特に好ましくは20nm〜200nm
)の範囲で適宜選ぶことが望ましい。次に、この上に発
光材料蒸着を行い、発光層6を設ける。その蒸着条件は
、使用する化合物の種類,蒸着膜の目的とする結晶構造
,会合構造などにより異なるが、一般にボート加熱温度
200〜400℃,真空度10−4〜10−5Pa ,
蒸着速度0.05〜1nm/sec,基板温度100℃
以下,膜厚5nm〜1000nm(特に好ましくは20
nm〜200nm)の範囲で適宜選ぶことが望ましい。 次いで、この上に電子注入材料と屈折率の小さな材料(
テフロン系ポリマー、好ましくはテフロンAF等の共重
合ポリマー)の共蒸着を行い、電子注入層7を設ける。 その蒸着条件は、使用する化合物の種類,蒸着膜の目的
とする結晶構造,会合構造などにより異なるが、一般に
ボート加熱温度200〜450℃,真空度10−4〜1
0−5Pa ,蒸着速度0.05〜1nm/sec,基
板温度100℃以下,膜厚20nm〜2000nm(特
に好ましくは50nm〜200nm)の範囲で適宜選ぶ
ことが望ましい。次に、この発光層の形成後、その上に
陰極用物質からなる薄膜を、10〜500nm好ましく
は50〜200nmの範囲の膜厚になるように、例えば
蒸着やスパッタリングなどの方法により形成させ、陰極
4を設けることにより、所望のEL素子が得られる。な
お、この有機EL素子の製造においては、製造順序を逆
にして、陰極,電子注入層,発光層,正孔注入層,陽極
の順に製造することも可能である。
【0042】また、クラッド層(正孔注入層),コアー
層(発光層)及びクラッド層(発光層)からなる有機E
L素子も可能である。この有機EL素子の製造方法は、
クラッド層である発光層が図1と構成上異なるだけであ
り、他は図1と同様である。クラッド層である発光層は
、発光材料と屈折率の小さな材料(テフロン系ポリマー
、好ましくはテフロンAF等の共重合ポリマー)の共蒸
着を行うことにより設けることができる。その蒸着条件
は、上記発光材料の蒸着条件を参考にすることができる
。このようにして得られたEL素子に、直流電圧を印加
する場合には、陽極を+,陰極を−の極性として電圧5
〜40V程度を印加すると、発光が発光端面より観測で
きる。また、逆の極性で電圧を印加しても電流は流れず
に発光は全く生じない。さらに、交流電圧を印加する場
合には、陽極が+,陰極が−の状態になったときのみ発
光する。なお、印加する交流の波形は任意でよい。
【0043】
【実施例】次に、本発明を実施例によりさらに詳しく説
明する。 実施例1 75mm×25mm×1mmのガラス基板上にITOを
蒸着法にて100nmの厚さで製膜したもの(HOYA
(株)製)を透明支持板とした。この透明支持板をイロ
ピルアルコール中、純粋中、イソプロピルアルコール中
の順で超音波洗浄を行い、その後、乾燥窒素を吹きつけ
基板表面から溶媒を除去した。前記工程で洗浄後の基板
をUV/O3 ドライストリッパー(製品名,UV30
0,サムコインターナショナル製)で3分間処理し、基
板表面の有機物を取り去った。それを市販の真空蒸着装
置(アルバック(株)製)の基板ホルダーに固定した。 正孔注入材料である下記式■に示すTPD,発光材料で
ある下記式■に示すアルミニウムトリオキシン(Al(
Ox ) 3 )及びクラッド層を形成するための低屈
折率な材料であるテフロンAF(デュポン(株)製)を
別々のモリブデン製の抵抗加熱ボートの中に入れ、これ
らを通電用端子に取りつけ真空槽を10−4Paにした
。先ず、TPDの入ったボートとテフロンAFの入った
ボートに通電を行い、各々蒸着速度を3オングストロー
ム/秒にて同時蒸着を行った。これにより、正孔注入層
であるクラッド層(膜厚120nm)を形成した。次に
Al(Ox )3 の入ったボートに通電し、蒸着速度
を2〜3オングストローム/秒にてコアー層(膜厚15
0nm)を形成した。次にテフロンAFの入ったボート
とAl(Ox )3 の入ったボートに通電し、各々蒸
着速度を3オングストローム/秒にて同時蒸着を行った
。これにより、発光層であるクラッド層(膜厚120n
m)を形成した。その後、真空槽を開け基板,クラッド
層,コアー層,クラッド層の積層にステンレス製マスク
を設置した。このマスク開口部は1cm×2.5cmと
なっており励起部位(発光層の端面で励起される部位)
を定めている。さらに、モリブデン製ボートにマグネシ
ウムを入れ、加熱フィラメントに銀を入れ、真空槽を1
0−4Paにした。上記ボート及びフィラメントに通電
し、蒸着速度を14オングストローム/秒にてマグネシ
ウムを、また蒸着速度を0.6〜0.9オングストロー
ム/秒にて銀を同時に蒸着し、マグネシウム−銀電極を
形成した。次いで、真空槽から上記有機EL素子を取り
出し、ガラス切りでガラス基板を破断した。このとき、
励起用マグネシウム,銀電極の長い方向を切り、破断し
励起用電極を1cm×2cmとした。これにより、発光
層の端面で発光する方向を定めた。
【0044】
【化13】
【0045】
【化14】
【0046】以上の様にして製造した有機EL素子のI
TOを陽極に、マグネシウム,銀電極を陰極にして電圧
15ボルトを印加すると、発光端面より高輝度の緑色の
発光を得た。次いで、発光端面をフォトダイオードの受
光部に接着させ、フォトダイオードの前記接着部以外の
発光面を黒色テープで光が入らないように覆った。また
、基板を通じてフォトダイオードが受光しないように基
板端面にも黒色テープを取りつけた。このようにした有
機EL素子に電圧15ボルトを印加したところ、有機E
L素子に電流が50mA/cm2 流れ、フォトダイオ
ードにて0.01mWが出力されることを確認した。こ
れは、100mW/cm2 に対応させ輝度に換算する
と約10万cd/m2 の高輝度になる。通常、ITO
側の発光面の輝度は1000cd/m2 であるから、
本発明の端面発光素子はその100倍の輝度を実現した
ことになる。
【0047】実施例2 Al(Ox )3 からなる発光層であるコアー層を形
成するとき、DCM(レーザー色素,コダック社)のド
ーピング材料を同時に蒸着して、その蒸着量がAl(O
x )3 の約1/100となるようにしたこと以外は
、実施例1と同様に製造し評価を行った。その結果、発
光端面より線状で高輝度な橙色の発光を得た。このとき
の出力は0.03mW,輝度は14万cd/m2 の超
高輝度であった。
【0048】実施例3 ドーピング材料を別の蛍光色素であるクマリン30(ラ
ムダフィズィクス社)に変えた以外は、実施例2と同様
に素子を製造し、評価を行った。その結果、発光端面よ
り線状で高輝度な青緑色の発光を得た。
【0049】実施例4 実施例1で製造したクラッド層,コアー層及びTPDの
単独層を単独でガラス基板状に製膜し、エリプソメータ
ーにより屈折率を求めた。結果を第2表に示す。
【0050】
【表2】
【0051】第2表からわかるようにクラッド層の屈折
率は、コアー層の屈折率より小さかった。このとき、非
対称の尺度aは、限り無く0に近い値であった。また、
実施例1及び2のコアー層(膜厚150nm)のとき、
上記導波路構造を有するための第2の条件を満たすθが
存在することが確認された。さらに、クラッド層への電
場の透過深度は約110nmと算出され、この値より実
施例1のクラッド層の膜厚は厚くされ、金属電極による
伝搬損失を防いでいることが判明した。
【0052】実施例5 TPDと共蒸着するテフロンAFの代わりに無機材料で
あるMgF2 を用い、電子ビーム共蒸着を行い、クラ
ッド層を形成した以外は、実施例1と同様に製造し評価
を行った。その結果、18V印加したところ輝度は16
万cd/m2 の超高輝度であった。
【0053】
【発明の効果】以上の如く、本発明の有機EL素子は、
特定の屈折率を有するクラッド層,コア層からなる導波
路構造を用いることによって端面発光を得、低電圧で高
輝度,高効率な発光及び多色発光を可能とした。したが
って、本発明の有機EL素子は、導波路構造により光の
閉じ込めを可能とするものとして、レーザー発振等に有
効に利用できるものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】有機EL素子の多層構造を示した概略図である
【図2】導波路構造の構成を示した概略図である。
【図3】導波路構造を示した概略図である。
【図4】従来の有機EL素子を示した概略図である。
【符号の説明】
1  陽極 2  正孔注入帯域 3  電子注入帯域 4  陰極 5  クラッド層(A) 6  コアー層 7  クラッド層(B) 8  基板 9  正孔注入層 10  発光層 11  電子注入層

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】  陽極,正孔注入帯域,電子注入帯域,
    陰極がこの順で積層されると共に、前記陽極と陰極の間
    に導波路構造を有することを特徴とする有機エレクトロ
    ルミネッセンス素子。
  2. 【請求項2】  正孔注入帯域が正孔注入層又は正孔注
    入層及び発光層として機能するものであり、電子注入帯
    域が電子注入層又は電子注入層及び発光層として機能す
    るものである請求項1記載の有機エレクトロルミネッセ
    ンス素子。
  3. 【請求項3】  導波路構造が、クラッド層(A),コ
    アー層,クラッド層(B)を陽極から陰極方向に順次積
    層した構成であり、かつ正孔注入層又は発光層であるク
    ラッド層(A)の屈折率nS 、もしくは電子注入層又
    は発光層であるクラッド層(B)の屈折率nC が、コ
    アー層である発光層の屈折率nf より小さく、かつコ
    アー層の膜厚D及び導波させるべき有機エレクトロルミ
    ネッセンス素子の放出光の波長λが、下記式(I)を満
    足する入射角θを少なくとも一つ存在させるように設定
    されることを特徴とする請求項2記載の有機エレクトロ
    ルミネッセンス素子。 (2π/λ)D( nf 2 −nf 2 sin2 
    θ) 1/2=π−tan−1((nf 2 −nf 
    2 sin2 θ) /( nf 2 sin2 θ−
    ns 2 ))1/2 −tan−1((nf 2 −
    nf 2 sin2 θ) /( nf 2 sin2
     θ−nc 2 ))1/2            
                             
              ・・・(I)
  4. 【請求項4】  導
    波路構造におけるコアー層を導波するモードが少なくと
    も1つ存在するように定められている請求項3記載の有
    機エレクトロルミネッセンス素子。
  5. 【請求項5】  クラッド層の膜厚が、クラッド層に電
    場が浸透する深さdが下記式       d>(λ/2π)/(nf 2 sin2
     θ−ns 2 )1/2 又は      d>(λ
    /2π)/(nf 2 sin2 θ−nc 2 )1
    /2 を満足することを特徴とする請求項3記載の有機
    エレクトロルミネッセンス素子。
  6. 【請求項6】  クラッド層を、低屈折率の蒸着可能な
    材料と、該材料より屈折率の大きい蒸着可能な材料を蒸
    着し、混合層として形成することを特徴とする請求項3
    の有機エレクトロルミネッセンス素子の製造方法。
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