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JP2017081409A - ハイブリッド自動車 - Google Patents

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JP2017081409A
JP2017081409A JP2015211639A JP2015211639A JP2017081409A JP 2017081409 A JP2017081409 A JP 2017081409A JP 2015211639 A JP2015211639 A JP 2015211639A JP 2015211639 A JP2015211639 A JP 2015211639A JP 2017081409 A JP2017081409 A JP 2017081409A
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立樹 斎藤
Tatsuki Saito
立樹 斎藤
浩之 東
Hiroyuki Azuma
浩之 東
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Toyota Motor Corp
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Toyota Motor Corp
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Abstract

【課題】要求制動力をより確実に駆動軸に出力する。【解決手段】アクセルオフ時に駆動軸への要求制動力(要求トルクTp*の絶対値)が閾値A以下の場合、モータMG1でエンジンを正回転方向にモータリングし(t1〜t4)、モータリングに伴って駆動軸に作用する制動力と要求制動力との差の制動力をモータMG2から出力する。また、要求制動力が閾値Aを超える場合、モータMG1でエンジンを負回転方向にモータリングし(t5〜t8)、モータリングに伴って駆動軸に作用する駆動力を打ち消すための制動力と要求制動力との和の制動力をモータMG2から出力する。また、要求制動力が閾値Bを超える場合、エンジンを負回転方向に負荷運転し、モータMG1からエンジントルクの反力を受け持つためのトルクを出力し(t9〜t10)、負荷運転に伴って駆動軸に作用する制動力と要求制動力との差の制動力をモータMG2から出力する。【選択図】図12

Description

本発明は、ハイブリッド自動車に関し、より詳しくは、エンジンと第1モータと遊星歯車機構と第2モータと二次電池とを備えるハイブリッド自動車に関する。
従来、この種のハイブリッド自動車としては、エンジンと、モータMG1,MG2と、動力分割装置と、バッテリとを備えるものが提案されている(例えば、特許文献1参照)。このハイブリッド自動車では、モータMG2による回生制御の実行中に、エンジンの吸気バルブのリフト量や作用角を小さくすることで、エンジンブレーキ力を増加させると共に回生制動力を低減させ、バッテリの過充電を抑制することができる。
特開2015−58828号公報
しかしながら、吸気バルブのリフト量や作用角を小さくするだけでは、得られる制動力には限界があるため、要求制動力の大きさによっては、要求制動力を確保できない場合がある。
本発明のハイブリッド自動車は、要求制動力をより確実に駆動軸に出力することを主目的とする。
本発明のハイブリッド自動車は、上述の主目的を達成するために以下の手段を採った。
本発明のハイブリッド自動車は、
エンジンと、第1モータと、共線図上で第1回転要素,第2回転要素,第3回転要素の順に並び前記第1回転要素に前記第1モータの回転軸が接続され前記第2回転要素に前記エンジンの出力軸が接続され前記第3回転要素に車軸に連結された駆動軸に接続された遊星歯車機構と、前記駆動軸に動力を入出力可能な第2モータと、前記第1モータおよび前記第2モータと電力をやり取り可能な二次電池と、を備え、前記エンジンから前記第2回転要素に対して正逆両回転方向の動力を出力可能なハイブリッド自動車であって、
前記駆動軸に制動力の出力が要求されたとき、前記駆動軸に出力すべき要求制動力が第1制動力以下の場合には、前記エンジンへの燃料供給を停止させた状態で該エンジンが正回転方向にモータリングされるよう前記第1モータを制御すると共に前記要求制動力が前記駆動軸に出力されるよう前記第2モータを制御し、前記要求制動力が前記第1制動力を超えており且つ該第1制動力よりも大きい第2制動力以下の場合には、前記エンジンへの燃料供給を停止させた状態で該エンジンが逆回転方向にモータリングされるよう前記第1モータを制御すると共に前記要求制動力が前記駆動軸に出力されるよう前記第2モータを制御し、前記要求制動力が前記第2制動力を超える場合には、前記エンジンへの燃料供給を伴って該エンジンから前記第2回転要素に逆回転方向に動力が出力されて前記駆動軸に伝達されるよう該エンジンと前記第1モータとを制御すると共に前記要求制動力が前記駆動軸に出力されるよう前記第2モータを制御する制動制御手段
を備えることを要旨とする。
この本発明のハイブリッド自動車では、エンジンと、第1モータと、第1回転要素に第1モータの回転軸が接続され第2回転要素にエンジンの出力軸が接続され第3回転要素に駆動軸が接続された遊星歯車機構と、駆動軸に動力を出力可能な第2モータと、二次電池とを備え、エンジンから前記第2回転要素に対して正逆両回転方向の動力を出力可能とする。そして、駆動軸に制動力の出力が要求されたとき、駆動軸に要求される要求制動力が第1制動力以下の場合には、エンジンへの燃料供給を停止させた状態でエンジンが正回転方向にモータリングされるよう第1モータを制御すると共に要求制動力が前記駆動軸に出力されるよう第2モータを制御する(制動制御A)。また、要求制動力が第1制動力を超えており第1制動力よりも大きい第2制動力以下の場合には、エンジンへの燃料供給を停止させた状態でエンジンが逆回転方向にモータリングされるよう第1モータを制御すると共に要求制動力が駆動軸に出力されるよう第2モータを制御する(制動制御B)。また、要求制動力が第2制動力を超える場合には、エンジンへの燃料供給を伴ってエンジンから第2回転要素に逆回転方向に動力が出力されて駆動軸に伝達されるようエンジンと第1モータとを制御すると共に要求制動力が駆動軸に出力されるよう第2モータを制御する(制動制御C)。エンジンは、通常、正回転方向よりも逆回転方向の方がエンジンフリクションやポンピングロスが大きい。したがって、制動制御Bは、制動制御Aよりもシステム全体の消費パワーを増大させることができるため、二次電池の過充電させることなく、第2モータから大きな制動力を出力して、駆動軸に大きな制動力を出力することができる。また、制動制御Cは、エンジンからの動力を制動力として駆動軸に出力することができるため、駆動軸により大きな制動力を出力することができる。このように、要求制動力に応じて制動制御を切り替えることで、要求制動力をより確実に駆動軸に出力することができる。ここで、エンジンと第2回転要素との間に正逆の回転方向を切り替え可能な切替機構を備えるものとすることもできる。この場合、切替機構によって回転方向を切り替えることにより、第1モータからの一方向の駆動力によって、エンジンを正回転方向にモータリングしたり、逆回転方向にモータリングしたりすることができる。また、切替機構によって回転方向を切り替えることにより、エンジンからの動力を回転方向を切り替えて第2回転要素に出力することができる。
こうしたハイブリッド自動車において、シフト操作を検知するシフト操作検知手段を備え、アクセルオフ時にドライブレンジよりも大きな制動力の出力を要求する所定レンジへのシフト操作が前記シフト操作検知手段により検知された場合に前記制動制御手段による制御が実行され、前記所定レンジへのシフト操作がなされてから所定時間が経過するまでに前記要求制動力が前記第2制動力を超える場合があるものとすることもできる。
本発明の一実施例としてのハイブリッド自動車10の構成の概略を示す構成図である。 エンジン20の構成の概略を示す構成図である。 カム28,38の正回転用の位相と負回転用の位相とを示す説明図である。 アクセルオフ時制御ルーチンの一例を示すフローチャートである。 要求トルク設定用マップの一例を示す説明図である。 シフトチェンジ直後の要求トルク設定用マップの一例を示す説明図である。 第1制動制御ルーチンの一例を示すフローチャートである。 エンジン20を正回転方向にモータリングして減速走行するときのプラネタリギヤ40の各回転要素における回転数とトルクとの力学的な関係を示す共線図である。 第2制動制御ルーチンの一例を示すフローチャートである。 エンジン20を負回転方向に負荷運転して減速走行するときのプラネタリギヤ40の各回転要素における回転数とトルクとの力学的な関係を示す共線図である。 エンジン20を負回転方向にモータリングして減速走行するときのプラネタリギヤ40の各回転要素における回転数とトルクとの力学的な関係を示す共線図である。 アクセルオフにより減速走行する場合におけるハイブリッド自動車10の運転状態の時間変化の様子を示す説明図である。 変形例のハイブリッド自動車10Bの構成の概略を示す構成図である。
次に、本発明を実施するための形態を実施例を用いて説明する。
図1は、本発明の一実施例としてのハイブリッド自動車10の構成の概略を示す構成図であり、図2は、エンジン20の構成の概略を示す構成図である。実施例のハイブリッド自動車10は、図示するように、エンジン20と、プラネタリギヤ40と、モータMG1と、モータMG2と、インバータ41,42と、バッテリ50と、ハイブリッド用電子制御ユニット(以下、HVECUという)70と、を備える。
エンジン20は、ガソリンや軽油などを燃料として動力を出力する内燃機関として構成されており、エンジン用電子制御ユニット(以下、エンジンECUという)21により運転制御される。エンジン20は、吸気,圧縮,燃焼,排気の各行程を有する4サイクルエンジンとして構成されており、図2に示すように、スロットルバルブ(図示せず)を介して吸気管24に空気を吸入(吸気)し、燃焼噴射弁(図示せず)から吸気管24に燃料を噴射して空気と燃料とを混合させる。そして、混合気を吸気バルブ26を介して燃焼室に吸入し、吸入した混合気を圧縮して点火プラグ31による電気火花によって爆発燃焼させ、そのエネルギにより押し下げられるピストン32の往復運動をクランクシャフト22の回転運動に変換することにより動力を出力する。燃焼後の排気は、排気バルブ36を介して排気管34に供給され、排気管34に設けられた浄化装置(図示せず)によって浄化されてから外気へ排出される。
吸気バルブ26は、カムシャフト29に取り付けられたカム28により開閉駆動され、排気バルブ36は、カムシャフト39に取り付けられたカム38により開閉駆動される。カムシャフト29,39は、クランクシャフト22の回転が図示しないタイミングチェーンを介して伝達され、クランクシャフト22が2回転する間、1回転する。
カム28は、例えば、ピストン32が排気行程終期の上死点に到達する手前のタイミングで吸気バルブ26が開弁し、ピストン32が下死点を通過した後に吸気バルブ26が閉弁するようカムシャフト29に対する位相が調整される。また、カム38は、例えば、ピストン32が燃焼行程終期の下死点に到達する手前のタイミングで排気バルブ36が開弁し、ピストン32が上死点を通過した後に排気バルブ36が閉弁するようカムシャフト39に対する位相が調整される。カム28,38は、カム駆動アクチュエータ30によって位相が変更可能となっている。なお、カム駆動アクチュエータ30は、例えば、特開2005−2812号公報に記載された構成を採用することができる。
また、点火プラグ31は、イグナイタと一体化されたイグニッションコイルに駆動信号が出力されることにより、電気火花を発生させる。点火プラグ31の点火時期は、例えば、ピストン32が圧縮行程終期の上死点に到達する手前のタイミングに調整される。
こうして構成された本実施例のエンジン20は、カム28,38の位相と点火プラグ31の点火時期とを変更することで、正逆両回転方向に動力を出力可能となっている。即ち、上述したように、エンジン20は4サイクルエンジンであり、吸気バルブ26および排気バルブ36の上述した開閉タイミングが到来するときのクランクシャフト22の回転角が正回転時と負回転時とで異なっている。このため、例えば、図3に示すように、正回転時と負回転時とでカム28,38の位相を切り替えることにより、いずれの方向に回転する場合でも、吸気バルブ26および排気バルブ36の開閉タイミングを最適なタイミングとすることができる。また、点火プラグ31の上述した点火時期が到来するときのクランクシャフト22の回転角が正回転時と負回転時とで異なっている。このため、正回転時と負回転時とで点火時期を切り替えることにより、いずれの方向に回転する場合でも、点火時期を最適なタイミングとすることができる。
エンジンECU21は、図示しないが、CPUを中心とするマイクロプロセッサとして構成されており、CPUの他に、処理プログラムを記憶するROMやデータを一時的に記憶するRAM,入出力ポート,通信ポートを備える。エンジンECU21には、エンジン20を運転制御するのに必要な各種センサからの信号が入力ポートを介して入力されている。また、エンジンECU21からは、エンジン20を運転制御するための種々の制御信号が出力ポートを介して出力されている。エンジンECU21は、エンジン20のクランクシャフト22に取り付けられた図示しないクランクポジションセンサからの信号に基づいてエンジン20の回転数Neを演算している。
プラネタリギヤ40は、シングルピニオン式の遊星歯車機構として構成されている。プラネタリギヤ40のサンギヤ,キャリア,リングギヤには、モータMG1の回転子,エンジン20のクランクシャフト22,駆動輪62a,62bにデファレンシャルギヤ61を介して連結された駆動軸60がそれぞれ接続されている。
モータMG1は、同期発電電動機として構成されており、上述したように回転子がプラネタリギヤ40のサンギヤに接続されている。モータMG2は、同期発電電動機として構成されており、上述したように回転子が駆動軸60に接続されている。モータMG1,MG2は、モータ用電子制御ユニット(以下、モータECUという)44によってインバータ41,42の図示しないスイッチング素子がスイッチング制御されることにより、バッテリ50からの直流電力が三相交流電力に変換されて供給されることにより駆動する。
モータECU44は、図示しないが、CPUを中心とするマイクロプロセッサとして構成されており、CPUの他に、処理プログラムを記憶するROMやデータを一時的に記憶するRAM,入出力ポート,通信ポートを備える。モータECU44には、モータMG1,MG2を駆動制御するために必要な信号が入力ポートを介して入力されている。例えば、モータECU44には、モータMG1,MG2の回転子の回転位置を検出する図示しない回転位置検出センサからの回転位置θm1,θm2、図示しない電流センサにより検出されるモータMG1,MG2に印加される相電流などが入力ポートを介して入力されている。また、モータECU44からは、インバータ41,42の図示しないスイッチング素子へのスイッチング制御信号などが出力ポートを介して出力されている。モータECU44は、HVECU70と通信しており、HVECU70からの制御信号によってモータMG1,MG2を駆動制御すると共に必要に応じてモータMG1,MG2の運転状態に関するデータをHVECU70に送信する。なお、モータECU44は、回転位置検出センサからのモータMG1,MG2の回転子の回転位置θm1,θm2に基づいてモータMG1,MG2の回転数Nm1,Nm2も演算している。
バッテリ50は、例えばリチウムイオン二次電池として構成されてインバータ41,42を介してモータMG1,MG2と電力をやりとりをする。バッテリ50は、バッテリ用電子制御ユニット(以下、バッテリECUという)52によって管理される。バッテリECU52は、図示しないが、CPUを中心とするマイクロプロセッサとして構成されており、CPUの他に、処理プログラムを記憶するROMやデータを一時的に記憶するRAM,入出力ポート,通信ポートを備える。バッテリECU52には、バッテリ50を管理するのに必要な信号が入力ポートを介して入力されている。例えば、バッテリECU52には、バッテリ50の端子間に設置された図示しない電圧センサからの端子間電圧Vbやバッテリ50の出力端子に接続された電力ラインに取り付けられた図示しない電流センサからの充放電電流Ib,バッテリ50に取り付けられた図示しない温度センサからの電池温度Tbなどが入力されている。また、バッテリECU52は、電流センサにより検出された充放電電流Ibの積算値に基づいてそのときのバッテリ50から放電可能な電力の容量の全容量に対する割合である蓄電割合SOCを演算する。また、バッテリECU52は、演算した蓄電割合SOCと電池温度Tbとに基づいてバッテリ50を充放電してもよい最大許容電力である入出力制限Win,Woutを演算する。また、バッテリECU52は、HVECU70と通信しており、必要に応じてバッテリ50の状態に関するデータをHVECU70に送信する。
HVECU70は、CPU72を中心とするマイクロプロセッサとして構成されており、CPU72の他に、処理プログラムを記憶するROM74やデータを一時的に記憶するRAM76,入出力ポート,通信ポートを備える。HVECU70には、イグニッションスイッチ80からのイグニッション信号,シフトレバー81の操作位置を検出するシフトポジションセンサ82からのシフトレンジSR,アクセルペダル83の踏み込み量を検出するアクセルペダルポジションセンサ84からのアクセル開度Acc,ブレーキペダル85の踏み込み量を検出するブレーキペダルポジションセンサ86からのブレーキペダルポジションBP,車速センサ88からの車速Vなどが入力ポートを介して入力されている。HVECU70は、エンジンECU21やモータECU44,バッテリECU52と通信可能に接続されており、エンジンECU21やモータECU44,バッテリECU52と各種制御信号やデータのやりとりを行なっている。
こうして構成された実施例のハイブリッド自動車10は、運転者によるアクセルペダル83の踏み込み量に対応するアクセル開度Accと車速Vとに基づいて駆動軸60に出力すべき要求トルクTp*を計算し、この要求トルクTp*に対応する要求動力が駆動軸60に出力されるように、エンジン20とモータMG1とモータMG2とが運転制御される。エンジン20とモータMG1とモータMG2の運転制御としては以下の(1)〜(3)のものがある。(1)のトルク変換運転モードと(2)の充放電運転モードは、いずれもエンジン20の運転を伴って要求動力が駆動軸60に出力されるようエンジン20とモータMG1,MG2とを制御するモードであり、実質的な制御における差異はないため、以下、両者を合わせてエンジン運転モード(ハイブリッドモード)という。
(1)トルク変換運転モード:要求動力に見合う動力がエンジン20から出力されるようにエンジン20を運転制御すると共にエンジン20から出力される動力のすべてがプラネタリギヤ40とモータMG1とモータMG2とによってトルク変換されて駆動軸60に出力されるようモータMG1およびモータMG2を駆動制御する運転モード。
(2)充放電運転モード:要求動力とバッテリ50の充放電に必要な電力との和に見合う動力がエンジン20から出力されるようにエンジン20を運転制御すると共にバッテリ50の充放電を伴ってエンジン20から出力される動力の全部またはその一部がプラネタリギヤ40とモータMG1とモータMG2とによりトルク変換されて要求動力が駆動軸60に出力されるようモータMG1およびモータMG2を駆動制御する運転モード。
(3)モータ運転モード:エンジン20の運転を停止してモータMG2から要求動力に見合う動力を駆動軸60に出力するよう駆動制御する運転モード。
エンジン運転モード(ハイブリッドモード)の制御は、具体的には、以下のようにして行なわれる。即ち、HVECU70は、アクセル開度Accと車速Vとから設定された要求トルクTp*に駆動軸60の回転数Nr(例えば、モータMG2の回転数Nm2や車速Vに換算係数を乗じて得られる回転数)を乗じて走行に要求される走行用パワーPdrv*を計算する。続いて、計算した走行用パワーPdrv*からバッテリ50の蓄電割合SOCに基づくバッテリ50の充放電要求パワーPb*(バッテリ50から放電するときが正の値)を減じてエンジン20に要求されるエンジン要求パワーPe*を設定する。そして、エンジン要求パワーPe*に基づいて目標回転数Ne*および目標トルクTe*により定まるエンジン20の目標運転ポイント(動作点)を設定する。ここで、エンジン20の目標運転ポイント(目標回転数Ne*および目標トルクTe*)は、エンジン要求パワーPe*を効率よくエンジン20から出力することができるエンジン20の動作ライン(燃費用動作ライン)と、エンジン要求パワーPe*と、の交点として求めることができる。次に、バッテリ50の入出力制限Win,Woutの範囲内で、エンジン20の回転数Neが目標回転数Ne*となるようにするための回転数フィードバック制御によってモータMG1のトルク指令Tm1*を設定すると共に要求トルクTp*が駆動軸60に出力されるようモータMG2のトルク指令Tm2*を設定する。そして、設定したエンジン20の目標回転数Ne*や目標トルクTe*をエンジンECU21に送信すると共にモータMG1,MG2のトルク指令Tm1*,Tm2*をモータECU44に送信する。目標回転数Ne*と目標トルクTe*とを受信したエンジンECU21は、目標回転数Ne*と目標トルクTe*とによってエンジン20が運転されるようエンジン20の吸入空気量制御や燃料噴射制御,点火制御などを行う。また、トルク指令Tm1*,Tm2*を受信したモータECU44は、モータMG1,MG2がトルク指令Tm1*,Tm2*で駆動されるようインバータ41,42のスイッチング素子のスイッチング制御を行う。
また、モータ運転モードの制御は、以下のようにして行われる。即ち、HVECU70は、アクセル開度Accと車速Vとから設定される要求トルクTp*が、バッテリ50の入出力制限Win,Woutの範囲内で、駆動軸60に出力されるようモータMG2のトルク指令Tm2*を設定し、トルク指令Tm2*をモータECU44に送信する。トルク指令Tm2*を受信したモータECU44は、モータMG2がトルク指令Tm2*で駆動されるようインバータ42のスイッチング素子のスイッチング制御を行う。
また、実施例のハイブリッド自動車10では、シフトレバーのシフトポジションSPとして、駐車時に用いる駐車ポジション(Pポジション)、後進走行用のリバースポジション(Rポジション)、中立のニュートラルポジション(Nポジション)、前進走行用の通常のドライブポジション(Dポジション)の他に、アクセルオン時の駆動力の設定等はDポジションと同一であるが走行中のアクセルオフ時に作用させる制動力がDポジションより大きく設定されるブレーキポジション(Bポジション)、アップシフト指示ポジションおよびダウンシフト指示ポジションを有するシーケンシャルシフトポジション(Sポジション)が用意されている。ここで、Sポジションは、アクセルオン時の駆動力や走行中のアクセルオフ時の制動力を例えば4段階(S1〜S4)に変更するポジションであり、アップシフト指示ポジションを操作してアップシフトする毎にアクセルオン時の駆動力と走行中のアクセルオフ時の制動力は小さくなり、ダウンシフト指示ポジションを操作してダウンシフトする毎にアクセルオン時の駆動力と走行中のアクセルオフ時の制動力は大きくなる。
次に、こうして構成された本実施例のハイブリッド自動車10の動作、特に、前進走行中にアクセルオフして減速走行する際の動作について説明する。図3は、HVECU70のCPU72により実行されるアクセルオフ時制御ルーチンの一例を示すフローチャートである。このルーチンは、アクセルポジションセンサ84により検出されるアクセル開度Accが略0のときに、所定時間毎(例えば、数msec毎)に繰り返し実行される。
アクセルオフ時制御ルーチンが実行されると、HVECU70のCPU72は、まず、車速センサ88からの車速Vやシフトポジションセンサ82からのシフトポジションSP,エンジン回転数Neなどを入力する(S100)。ここで、エンジン回転数Neは、クランクポジションセンサにより検出される信号に基づいてエンジンECU21により演算されたものを通信により入力するものとした。
続いて、入力した車速VとシフトポジションSPとに基づいて駆動軸60に要求される要求トルクTp*を設定する(S102)。要求トルクTp*の設定は、車速VとシフトポジションSPと要求トルクTp*との関係を予め求めてマップとしてROM74に記憶しておき、車速VとシフトポジションSPとが与えられると、対応する要求トルクTp*をマップから導出することにより行われる。要求トルク設定用マップの一例を図5に示す。要求トルクTp*は、正の値が駆動力を示し、負の値が制動力を示す。なお、詳細については後述するが、図中の閾値Aは、モータMG1でエンジン20を正回転方向にモータリングすることにより得られる減速度の最大値を示す。また、図中の閾値Bは、モータMG1でエンジン20を負回転方向にモータリングすることにより得られる減速度の最大値を示す。
そして、入力したシフトポジションSPがBポジションまたはSポジション(S1〜S4)であるか否かを判定する(S104)。シフトポジションSPがBポジションおよびSポジションのいずれでもない、即ちDポジションやNポジションであると判定すると、通常制御を実行して(S106)、アクセルオフ時制御ルーチンを終了する。ここで、通常制御は、エンジン20への燃料供給が停止されるよう燃料カット指令をエンジンECU21に送信し、モータMG1から出力すべきトルク指令Tm1*を値0すると共に要求トルクTp*が駆動軸60に出力されるようモータMG2から出力すべきトルク指令Tm2*を値Tp*に設定してモータECU44に送信することにより行う。トルク指令Tm1*,Tm2*を受信したモータECU44は、モータMG1からトルク指令Tm1*に見合うトルクが出力され、モータMG2からトルク指令Tm2*に見合うトルクが出力されるようインバータ41,42をスイッチング制御する。このように、シフトポジションSPがDポジションの場合には、モータMG2の回生制御することによって要求トルクTp*(要求制動力)を駆動軸60に出力する。なお、シフトポジションSPがDポジションの場合でも、要求制動力によっては、後述する第1制動制御を実行するものとしてもよい。また、シフトポジションSPがNポジションの場合には、要求トルクTp*は値0であるから、トルク指令Tm2*は値0となり、惰性走行となる。
一方、S104でシフトポジションSPがBポジションまたはSポジション(S1〜S4)であると判定すると、変速後カウンタCがカウンタ閾値未満であるか否かを判定する(S108)。ここで、変速後カウンタCは、シフトポジションSPが他のポジションからBポジションまたはSポジションへ変更されたり、Sポジション内でシフト段(S1〜S4)が変更されたりした場合に、シフトポジションSPが変更されてからの経過時間を示すものである。カウンタ閾値は、例えば0.1〜0.5秒程度に相当する値に定められている。変速後カウンタCがカウンタ閾値未満であると判定すると、シフトポジションSPと車速Vと変速後カウンタCとに基づいて要求トルクTp*を再設定して(S110)、S112の処理に進み、変速後カウンタCがカウンタ閾値以上であると判定すると、S110の処理をスキップしてS112の処理に進む。S110の処理は、S102で設定された要求トルクTp*よりも大きな制動力を設定するための処理である。具体的には、シフトポジションSPと車速Vと変速後カウンタCと要求トルクTp*との関係を予め求めてマップとしてROM74に記憶しておき、シフトポジションSPと車速Vと変速後カウンタCとが与えられると、対応する要求トルクTp*をマップから導出することにより行う。この要求トルク設定用マップを図6に示す。図示するように、シフトチェンジ直後の要求トルクTp*は、変速後カウンタCが小さいほど(シフトポジションSPが変更されてからの経過時間が短いほど)、小さくなる(制動力が大きくなる)負の値に設定される。これにより、シフトチェンジ直後に一時的に大きな制動力を駆動軸60に出力することで、シフトチェンジ時の節度感を演出して、シフトフィーリングを向上させることができる。
そして、要求トルクTp*の絶対値(要求制動力)が閾値A以下であるか否かを判定する(S112)。要求制動力が閾値A以下であると判定すると、モータMG1でエンジン20を正回転方向にモータリングすることにより得られるエンジンブレーキを制動力として駆動軸60に出力する第1制動制御を実行して(S114)、アクセルオフ時制御ルーチンを終了する。一方、要求制動力が閾値A以下でない、閾値Aを超えていると判定すると、エンジン20を負回転させることにより制動力を駆動軸60に出力する第2制動制御を実行して(S116)、アクセルオフ時制御ルーチンを終了する。
第1制動制御は、図7に例示する第1制動制御ルーチンを実行することにより行われる。第1制動制御ルーチンでは、エンジン20の燃料カット指令をエンジンECU21に送信する(S200)。続いて、エンジン20を正回転方向にモータリングするためにモータMG1から出力すべきトルク指令Tm1*を設定する(S202)。そして、要求トルクTp*が駆動軸60に出力されるよう要求トルクTp*とトルク指令Tm1*とに基づいてモータMG2から出力すべきトルク指令Tm2*(=Tp*+Tm1*/ρ)を設定し(S204)、設定したトルク指令Tm1*,Tm2*をモータECU44に送信して(S206)、第1制動制御ルーチンを終了する。このように、シフトポジションSPがBポジションまたはSポジションの場合、要求制動力(要求トルクTp*の絶対値)が閾値A以下のときには、エンジン20への燃料供給を停止した状態でモータMG1によりエンジン20を正回転方向に強制的にモータリングすることによりエンジンブレーキを制動力として駆動軸60に出力する。
図8は、エンジン20を正回転方向にモータリングして減速走行するときのプラネタリギヤ40の各回転要素における回転数とトルクとの力学的な関係を示す共線図である。なお、図中、左のS軸はモータMG1の回転数であるサンギヤの回転数を示し、中央のC軸はエンジン20の回転数であるキャリアの回転数を示し、右のR軸は駆動軸60の回転数であるリングギヤの回転数を示す。R軸上の太線矢印は、エンジン20を正回転方向にモータリングするためにモータMG1から出力された正のトルクTm1により駆動軸60に作用する制動トルク(−Tm1/ρ)と、モータMG2から出力される制動トルクTm2とを示す。図示するように、モータMG1から出力される正のトルクTm1によりエンジン20を正回転方向にモータリングし、エンジンブレーキに基づく制動力と要求制動力との差の制動力をモータMG2から出力することにより、要求制動力を駆動軸60に出力して減速走行することができる。
第2制動制御は、図9に例示する第2制動制御ルーチンを実行することにより行われる。第2制動制御ルーチンでは、まず、エンジン回転数Neが負の値であるか否か(S300)、値0であるか否か(S302)、をそれぞれ判定する。エンジン回転数Neが負の値でも値0でもない、即ち正の値であると判定すると、エンジン20の回転数を引き下げて停止させるために必要なトルク(負のトルク)をモータMG1のトルク指令Tm1*に設定する(S304)。そして、要求トルクTp*が駆動軸60に出力されるようモータMG2のトルク指令Tm2*(=Tp*+Tm1*/ρ)を設定して(S306)、設定したトルク指令Tm1*,Tm2*をモータECU44に送信する(S308)。
エンジン20が停止されると、S302でエンジン回転数Neが値0であると判定されるため、カム位相切替指令をエンジンECU21に送信する(S310)。カム位相切替指令を受信したエンジンECU21は、カムシャフト29,39に対するカム28,38の位相がそれぞれ正回転用から負回転用に切り替えられるようカム駆動アクチュエータ30を駆動制御する。そして、カム28,38の位相切替が完了するまでの間、モータMG1のトルク指令Tm1*を値0に設定し(S312,S314)、要求トルクTp*が駆動軸60に出力されるようモータMG2のトルク指令Tm2*を設定して送信する(S306,S308)。
S312で位相切替が完了したと判定すると、要求制動力(要求トルクTp*の絶対値)が閾値Aよりも大きい閾値Bを超えているか否かを判定する(S316)。上述したように、要求制動力は、シフトチェンジ直後に一時的に大きな制動力が設定されるため、このときに閾値Bを超える場合がある。要求制動力が閾値Bを超えていると判定すると、エンジン20が負回転方向に負荷運転されるよう負荷運転指令をエンジンECU21に送信し(S318)、エンジン20からの負回転方向の動力を駆動軸60に伝達させるために必要なトルクをモータMG1のトルク指令Tm1*に設定する(S320)。そして、要求トルクTp*が駆動軸60に出力されるようモータMG2のトルク指令Tm2*を設定して送信する(S306,S308)。このように、シフトポジションSPがBポジションまたはSポジションの場合、要求制動力が閾値Bを超えているときには、エンジン20を負回転方向に負荷運転することにより、エンジン20から出力される動力を制動力として駆動軸60に出力する。
図10は、エンジン20を負回転方向に負荷運転して減速走行するときのプラネタリギヤ40の各回転要素における回転数とトルクとの力学的な関係を示す共線図である。R軸上の太線矢印は、モータMG1から出力されたトルクにより駆動軸60に作用する制動トルク(−Tm1/ρ)と、モータMG2から出力される制動トルクTm2とを示す。図示するように、エンジン20から負回転方向の負荷運転を行う場合、エンジントルクの反力を受け持つようモータMG1から正のトルクを出力し、エンジン20の負荷運転に伴って駆動軸60に出力される制動力と要求制動力との差の制動力をモータMG2から出力することにより、要求制動力により減速走行することができる。この場合、モータMG1は負の回転数で正のトルクTm1を出力するから発電し、モータMG2は回生制御により発電するから、両モータMG1,MG2で発電した電力はバッテリ50に充電されることとなる。本実施例では、エンジン20の負回転方向の負荷運転は、シフトチェンジ直後に要求制動力が閾値Bを超えた場合の短時間に限って実行されるため、バッテリ50が過充電するのを抑制することができる。
S316で要求制動力(要求トルクTp*の絶対値)が閾値B以下であると判定すると、燃料カット指令をエンジンECU21に送信し(S322)、エンジン20を負回転ささせるのに必要なトルクをモータMG1のトルク指令Tm1*に設定する(S324)。そして、要求トルクTp*が駆動軸60に出力されるようモータMG2のトルク指令Tm2*を設定して送信する(S306,S308)。このように、シフトポジションSPがBポジションまたはSポジションの場合、要求制動力が閾値Aよりも大きく閾値B以下のときには、モータMG1でエンジン20を負回転方向にモータリングすることにより、モータMG1で電力を消費させながら、モータMG2の回生制御による制動力を駆動軸60に出力する。
図11は、エンジン20を負回転方向にモータリングして減速走行するときのプラネタリギヤ40の各回転要素における回転数とトルクとの力学的な関係を示す共線図である。R軸上の太線矢印は、モータMG1から出力された負のトルクにより駆動軸60に作用する駆動トルク(−Tm1/ρ)と、モータMG2から出力される制動トルクTm2とを示す。図示するように、モータMG1でエンジン20を負回転方向にモータリングする場合、エンジンブレーキが正回転方向に作用するため、駆動力が駆動軸60に出力される。このため、要求制動力を駆動軸60に出力するには、モータMG2から上述した駆動力を打ち消すための制動力と要求制動力との和の大きさの制動力を出力する必要がある。ここで、エンジン20は、正回転方向の回転に対して効率が高くなるよう設計されるのが通常である。このため、エンジン20を負回転させると、正回転させるよりも、エンジンフリクションやポンピングロスが大きくなる。また、モータMG2から制動力を出力する場合、プラネタリギヤ40の特性上、エンジン20を負回転させる方がエンジン20を正回転させるよりも、モータMG1が高回転で回転され、モータMG2からより大きな制動トルクが出力されるため、モータロスも大きくなる。このため、モータMG1のモータリングによってエンジン20を負回転させる方が正回転させるよりも、システム全体の消費パワーが大きくなるから、バッテリ50の過充電を抑制しつつ、モータMG2の回生制御によるより大きな制動力の出力に対応することができる。
図12は、アクセルオフにより減速走行する場合におけるハイブリッド自動車10の運転状態の時間変化を示す説明図である。図示するように、いま、アクセルオフによる減速走行中に、運転者がDポジションからSポジションへシフトチェンジした場合を考える。ここで、Sポジションでは、要求制動力が大きい方(要求トルクTp*が小さい方)からS1ポジション,S2ポジション,S3ポジション,S4ポジションの順となる。時刻t1でDポジションからS4ポジションへシフトチェンジされたり、時刻t3でS4ポジションからS3ポジションへシフトチェンジされると、要求トルクTp*は閾値(−A)以上(要求制動力は閾値A未満)であるから、エンジン20への燃料供給を停止させた状態で、モータMG1によりエンジン20を正回転方向にモータリングし、エンジン20の正回転方向のモータリングに伴って駆動軸60に作用する制動力(エンジンブレーキ)と要求制動力との差の制動力をモータMG2から出力する。なお、シフトチェンジされてから時間時間が経過するまで(変速後カウンタCがカウンタ閾値に達するまで)は要求制動力が一時的に大きくされる(時刻t1〜t2,t3〜t4,t5〜t8,t9〜t10)。時刻t5にS3ポジションからS2ポジションにシフトチェンジされると、要求トルクTp*が閾値(−A)未満となる(要求制動力が閾値Aを超える)ため、エンジンブレーキによる制動力では要求制動力に対して不足する。このため、モータMG1でエンジン20の回転を引き下げてエンジン20を停止させた後、時刻t6にカム28,38の位相を正回転用から負回転用へ切り替える。そして、時刻t7にカム28,38の位相切替が完了すると、モータMG1によりエンジン20を負回転方向にモータリングし、エンジン20の負回転方向のモータリングに伴って駆動軸60に作用する駆動力を打ち消す制動力と要求制動力との和の制動力をモータMG2から出力する。そして、時刻t9にS2ポジションからS1ポジションへシフトチェンジされると、要求トルクTp*が閾値(−B)未満となる(要求制動力が閾値Bを超える)ため、より大きな制動力の出力に対応するために、エンジン20を負回転方向に負荷運転し、モータMG1からエンジントルクの反力を受け持つための正のトルクを出力し、エンジン20の負回転方向の負荷運転に伴って駆動軸60に作用する制動力と要求制動力との差の制動力をモータMG2から出力する。このように、要求制動力が閾値Aを超える場合に、エンジン20を負回転させることにより、要求制動力に見合う制動力を確保することができる。
以上説明した本実施例のハイブリッド自動車10によれば、アクセルオフ時に駆動軸60への要求制動力が閾値A以下の場合には、モータMG1でエンジン20を正回転方向にモータリングし、正回転方向のモータリングに伴って駆動軸60に作用する制動力と要求制動力との差の制動力をモータMG2から出力する。また、要求制動力が閾値Aを超える場合には、モータMG1でエンジン20を負回転方向にモータリングし、負回転方向のモータリングに伴って駆動軸60に作用する駆動力を打ち消すための制動力と要求制動力との和の制動力をモータMG2から出力する。また、要求制動力が閾値Aよりも大きい閾値Bを超える場合には、エンジン20を負回転方向に負荷運転し、モータMG1からエンジントルクの反力を受け持つためのトルクを出力し、エンジン20の負回転方向の負荷運転に伴って駆動軸60に作用する制動力と要求制動力との差の制動力をモータMG2から出力する。これにより、要求制動力に応じて制動制御を切り替えることにより、より確実に要求制動力を駆動軸60に出力することができる。しかも、エンジン20の負回転方向の負荷運転は、BポジションまたはSポジションへのシフトチェンジ直後に大きな制動力が要求される場合に短時間だけ行うから、バッテリ50が過充電するのを抑制することができる。
実施例では、シフトレバー81がBポジションまたはSポジションにシフト操作されて要求制動力が閾値Aを超えた場合に、モータMG1によりエンジン20を負回転方向にモータリングする制御を実行したが、シフトレバー81がDポジションにあるときでも、要求制動力が閾値Aを超えた場合には、同様の制御を実行するものとしてもよい。
実施例では、エンジン20のクランクシャフト22とプラネタリギヤ40のキャリアとを接続するものとしたが、図13の変形例のハイブリッド自動車10Bに示すように、クランクシャフト22とキャリアとの間に、遊星歯車機構やクラッチ,ブレーキにより構成される前後進切替機構90を備えるものとしてもよい。この変形例のハイブリッド自動車10Bでは、前後進切替機構90を正回転方向に切り替えて、モータMG1から正のトルクを出力することによりエンジン20を正回転方向にモータリングすることができ、前後進切替機構90を逆回転方向に切り替えて、モータMG1から正のトルクを出力することによりエンジン20を負回転方向にモータリングすることができる。前者の場合も後者の場合も、モータMG1でエンジン20をモータリングすることにより駆動軸60に作用するトルクは制動力(エンジンブレーキ)であるから、モータMG2からは、モータリングにより駆動軸60に作用する制動力と要求制動力との差の制動力を出力すればよい。上述したように、エンジン20は、正回転させるよりも負回転させる方がエンジンフリクションやポンピングロスが大きくなるから、モータMG1からの正のトルクによってエンジン20を負回転方向にモータリングすることにより、より大きなエンジンブレーキを制動力として駆動軸60に出力することができる。また、前後進切替機構90を逆回転方向に切り替えた上で、エンジン20を正回転方向に負荷運転し、モータMG1でエンジントルクの反力を受け持つことにより、エンジン20から出力される動力を制動力として駆動軸60に出力することができる。
実施例の主要な要素と課題を解決するための手段の欄に記載した発明の主要な要素との対応関係について説明する。実施例では、エンジン20が「エンジン」に相当し、モータMG1が「第1モータ」に相当し、プラネタリギヤ40が「遊星歯車機構」に相当し、モータMG2が「第2モータ」に相当し、バッテリ50が「二次電池」に相当し、図4のアクセルオフ時制御ルーチン(図7の第1制動制御ルーチン,図9の第2制動制御ルーチン)を実行するHVECU70のCPU72が「制動制御手段」に相当する。
なお、実施例の主要な要素と課題を解決するための手段の欄に記載した発明の主要な要素との対応関係は、実施例が課題を解決するための手段の欄に記載した発明を実施するための形態を具体的に説明するための一例であることから、課題を解決するための手段の欄に記載した発明の要素を限定するものではない。即ち、課題を解決するための手段の欄に記載した発明についての解釈はその欄の記載に基づいて行なわれるべきものであり、実施例は課題を解決するための手段の欄に記載した発明の具体的な一例に過ぎないものである。
以上、本発明を実施するための形態について実施例を用いて説明したが、本発明はこうした実施例に何等限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において、種々なる形態で実施し得ることは勿論である。
本発明は、ハイブリッド自動車の製造産業に利用可能である。
10,10B ハイブリッド自動車、20 エンジン、21 エンジン用電子制御ユニット(エンジンECU)、22 クランクシャフト、24 吸気管、26 吸気バルブ、28,38 カム、29,39 カムシャフト、30 カム駆動アクチュエータ、31 点火プラグ、32 ピストン、34 排気管、36 排気バルブ、40 プラネタリギヤ、41,42 インバータ、44 モータ用電子制御ユニット(モータECU)、50 バッテリ、52 バッテリ用電子制御ユニット(バッテリECU)、60 駆動軸、61 デファレンシャルギヤ、62a,62b 駆動輪、70 ハイブリッド用電子制御ユニット(HVECU)、72 CPU、74 ROM、76 RAM、80 イグニッションスイッチ、81 シフトレバー、82 シフトポジションセンサ、83 アクセルペダル、84 アクセルペダルポジションセンサ、85 ブレーキペダル、86 ブレーキペダルポジションセンサ、88 車速センサ、90 前後進切替機構、MG1,MG2 モータ。

Claims (1)

  1. エンジンと、第1モータと、共線図上で第1回転要素,第2回転要素,第3回転要素の順に並び前記第1回転要素に前記第1モータの回転軸が接続され前記第2回転要素に前記エンジンの出力軸が接続され前記第3回転要素に車軸に連結された駆動軸に接続された遊星歯車機構と、前記駆動軸に動力を入出力可能な第2モータと、前記第1モータおよび前記第2モータと電力をやり取り可能な二次電池と、を備え、前記エンジンから前記第2回転要素に対して正逆両回転方向の動力を出力して走行可能なハイブリッド自動車であって、
    前記駆動軸に制動力の出力が要求されたとき、前記駆動軸に出力すべき要求制動力が第1制動力以下の場合には、前記エンジンへの燃料供給を停止させた状態で該エンジンが正回転方向にモータリングされるよう前記第1モータを制御すると共に前記要求制動力が前記駆動軸に出力されるよう前記第2モータを制御し、前記要求制動力が前記第1制動力を超えており且つ該第1制動力よりも大きい第2制動力以下の場合には、前記エンジンへの燃料供給を停止させた状態で該エンジンが逆回転方向にモータリングされるよう前記第1モータを制御すると共に前記要求制動力が前記駆動軸に出力されるよう前記第2モータを制御し、前記要求制動力が前記第2制動力を超える場合には、前記エンジンへの燃料供給を伴って該エンジンから前記第2回転要素に逆回転方向に動力が出力されて前記駆動軸に伝達されるよう該エンジンと前記第1モータとを制御すると共に前記要求制動力が前記駆動軸に出力されるよう前記第2モータを制御する制動制御手段
    を備えることを特徴とするハイブリッド自動車。
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN112298157A (zh) * 2020-10-30 2021-02-02 一汽解放汽车有限公司 一种控制方法、装置、设备及存储介质

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