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JP2012105000A - 複合機制御システム、制御プログラム、記録媒体 - Google Patents

複合機制御システム、制御プログラム、記録媒体 Download PDF

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JP2012105000A JP2010250877A JP2010250877A JP2012105000A JP 2012105000 A JP2012105000 A JP 2012105000A JP 2010250877 A JP2010250877 A JP 2010250877A JP 2010250877 A JP2010250877 A JP 2010250877A JP 2012105000 A JP2012105000 A JP 2012105000A
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Abstract

【課題】利用者の手間を軽減する。
【解決手段】複合機制御システム100は複合機1と制御装置3とを備えている。複合機1は、印刷ジョブのジョブデータを受信するジョブ受信部10aと、前記ジョブデータの送信元を特定して且つ特定された送信元を示す送信元情報を制御装置3に送信する送信元特定部10cとを備える。制御装置3は、複合機1における印刷ジョブの実行機能の利用が許諾されている送信元を予め記憶する記憶装置32と、複合機1から受信した送信元情報に基づいてジョブ認証処理を行う認証処理部31bとを備える。認証処理部31bは、複合機1から受信した送信元情報に示される送信元が記憶装置32に記憶されていない場合は複合機1に前記ジョブの実行を許可せず、前記送信元情報に示される送信元が記憶装置32に記憶されている場合は複合機1に印刷ジョブの実行を許可する。
【選択図】図1

Description

本発明は、複合機と当該複合機と通信可能に接続されている制御装置(制御サーバ)とを含み、前記複合機が前記制御装置に格納されているアプリケーションと連携して動作するようになっている複合機制御システムに関するものである。
従来、コピー機能、スキャン機能、印刷機能及びFAX送受信機能などの複数の機能を併せ持つ複合機が知られている。近年では、このような複合機が制御サーバ(アプリケーションサーバ)などと通信ネットワークを介して接続され、多種多様な処理を行うようになっている。すなわち、制御サーバにて動作するアプリケーションソフトウェア(以下、単に「アプリケーション」と称す)と複合機の機能とを連携させ、複合機がトータルアプリケーションシステムの一部となって動作することができる。これにより、複合機の機能と制御サーバの機能とを適宜組み合わせた柔軟性のあるサービスの構築を容易に行うことができる。
以上のようなトータルアプリケーションシステムでは、認証処理や集計処理(アカウンティング機能)にて用いる情報やこれら処理にて得られる情報を制御サーバにて一元管理することも可能になっている。
また、このようなシステムにおいて、印刷ジョブのジョブデータが複合機1に入力されると、複合機1と制御サーバとが連携して印刷ジョブ機能の利用権限の有無の判定(以下「ジョブ認証処理」と称す)を行うようになっているものがある。このジョブ認証処理について以下説明する。まず、利用者が、前記複合機に接続されている端末装置のプリンタドライバに対して、認証情報(パスワード等のログイン情報)と印刷実行命令とを入力する。プリンタドライバは、この入力に応じて、前記認証情報を含めた印刷ジョブのジョブデータを複合機へ送信する。複合機は、受信したジョブデータに含まれる認証情報を制御サーバに送信する。制御サーバの外部アプリケーション(認証処理用アプリケーション)は、前記認証情報に基づいて、印刷ジョブ機能の利用権限の有無の判定(ジョブ認証処理)を行う。ここで、外部アプリケーションは、「有」と判定した場合、複合機に許可通知を送り、この許可通知を受けた複合機は前記印刷ジョブを実行するようになっている。これに対し、外部アプリケーションは、「無」と判定した場合、複合機に不許可通知を送り、この不許可通知を受けた複合機は、前記印刷ジョブを実行せずに前記印刷ジョブのデータを消去するようになっている。
また、最近の複合機はダイレクト印刷の機能を備えるものが多い。ダイレクト印刷とは、プリンタドライバを用いずに外部装置から複合機へ印刷ジョブを送信して印刷することを意味する。このダイレクト印刷には、例えば、端末装置の画像ファイル(例えばPDFファイル)をFTP通信プロトコルによって複合機に転送して印刷する形態がある(端末装置において、PDFファイルを開くことなく当該PDFファイルをプリンタアイコンにドラッグすれば、当該PDFファイルが印刷ジョブとして複合機にFTP転送されるようになっている)。また、ダイレクト印刷には、複合機にUSB接続されたUSB機器から複合機へ画像データが送信され、この画像データに基づいて印刷する形態もある。
ダイレクト印刷機能によれば、プリンタドライバが用いられないので、複合機へ送られる印刷ジョブのデータに認証情報が付加されておらず、前記のようなジョブ認証処理を行えないという欠点があった。この欠点に対し、特許文献2は、複合機に入力された印刷データに認証情報が付加されていない場合(つまりダイレクト印刷の印刷データの場合)、印刷データをメモリに一旦格納し、複合機の操作パネルに認証画面を表示して利用者に認証情報を入力させ、この認証情報によってジョブ認証処理を行う技術を提案している。
特開2008−40675号公報(公開日:2008年2月21日) 特開2010−124409号公報(公開日:2010年6月3日)
つまり、従来の手法において、ジョブ認証処理を実現するためには、プリンタドライバを用いた通常の印刷処理の場合、および、ダイレクト印刷の場合のいずれの場合であっても、少なくとも1回の認証情報の入力が必須となる。それゆえ、利用者にとって、認証情報の入力作業を必ず行わなければならないという手間が生じていた。
また、端末装置においては、装置起動時に利用者に認証情報を入力させ、この認証情報に基づいて操作権限の有無を判定する処理(以下では「操作認証処理」と称す)を行い、操作権限を有する利用者のみ操作可能になっているものがある。このような端末装置のプリンタドライバを用いて印刷処理を行う場合、まず、前記の操作認証処理のための認証情報を入力して端末装置を利用可能にし、その後、前記のジョブ認証処理のための認証情報をプリンタドライバによって入力する必要があり、利用者は認証情報を2度入力しなければならず、過度の手間が発生することになる。
さらに、特許文献2の複合機は、ダイレクト印刷の印刷ジョブが複合機に転送された後、ジョブ認証処理のための認証情報の入力を求める認証画面を複合機に表示するようになっているので、利用者は、端末装置においてダイレクト印刷の実行指示を入力した後、複合機まで移動して複合機の操作パネルから認証情報を入力しなければならず、手間である。
以上より、前記のジョブ認証処理(印刷ジョブ機能の利用権限の有無の判定)のための認証情報を利用者に入力させることなく当該ジョブ認証処理を行うことができれば、利用者による認証情報の入力回数をゼロまたは減らすことができ、利用者の手間を軽減できることになる。
本発明の目的は、複合機のジョブ機能の利用権限の有無の判定(ジョブ認証処理)を行う複合機制御システムにおいて従来よりも利用者の手間を軽減することを目的とする。
上記の課題を解決するために、本発明は、複合機と、前記複合機を制御する制御装置とを備える複合機制御システムであって、前記複合機は、受信側にて送信元の特定が可能な通信プロトコルによって、前記複合機に対するジョブの実行命令を示すジョブデータを受信するジョブ受信部と、前記ジョブデータの送信元を特定し、特定された送信元を示す送信元情報を前記制御装置に送信する送信元特定部と、前記制御装置が前記ジョブの実行を許可しなかった場合には前記複合機に前記ジョブを実行させず、前記制御装置が前記ジョブの実行を許可した場合には前記複合機に前記ジョブを実行させるジョブ制御部とを備え、前記制御装置は、前記複合機から前記送信元情報を受信する情報受信部と、前記複合機における前記ジョブの実行機能の利用が許諾されている送信元を予め記憶する記憶装置と、前記送信元情報に示される送信元が前記記憶装置に記憶されているか否かを判定し、前記送信元情報に示される送信元が前記記憶装置に記憶されていないと判定した場合は前記複合機に前記ジョブの実行を許可せず、前記送信元情報に示される送信元が前記記憶装置に記憶されていると判定した場合は前記複合機に前記ジョブの実行を許可する許否部とを備えることを特徴とする。
本願発明の構成によれば、前記ジョブデータに認証情報(ログイン情報)を付加しなくても、ジョブ機能の利用権限の有無の判定(ジョブの実行許否の判定)が可能になる。それゆえ、複合機を利用する利用者の認証情報(ログイン情報)の入力作業を不要または減じることができ、従来よりも利用者の手間を軽減することが可能になる。
本発明の複合機制御システムにおいて、前記通信プロトコルは、受信側において送信元のIPアドレスを特定可能なプロトコルであり、前記送信元特定部は、前記IPアドレス、または前記IPアドレスから変換可能なホスト名を前記送信元情報とするようになっていてもよい。
また、本発明の複合機制御システムにおいて、前記通信プロトコルは電子メール通信プロトコルであり、前記送信元特定部は、前記送信元の電子メールアドレスを前記送信元情報とするようになっていてもよい。
なお、本発明は、コンピュータによって実現されてもよく、この場合には、コンピュータを前記複合機に備えられる各部として機能させる制御プログラム、およびそれを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体も、本発明の範疇に入る。また、コンピュータを前記制御装置に備えられる各部として機能させる制御プログラム、およびそれを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体も、本発明の範疇に入る。
本発明によれば、前記ジョブデータに認証情報(ログイン情報)を付加しなくても、ジョブ機能の利用権限の有無の判定(ジョブの実行許否の判定)が可能になる。それゆえ、複合機を利用する利用者の認証情報(ログイン情報)の入力作業を不要または減じることができ、従来よりも利用者の手間を軽減することが可能になる。
本発明の一実施形態に係る複合機制御システムの概略構成を示すブロック図である。 複合機の操作認証処理時において、複合機と制御装置との間で行われる通信処理を示すシーケンス図である。 複合機の表示部に表示されるログイン画面を示す模式図である。 制御装置の記憶装置に記憶されている認証処理用テーブルを例示した図である。 本実施形態の複合機制御システムにて行われるジョブ認証処理の流れを示すフローチャートである。 SOAPを用いて複合機から制御装置へ認証情報を送信する場合の送信されるデータの一例である。 SOAPを用いて認証許可通知を送信する場合の送信されるデータの一例である。 SOAPを用いて認証エラー通知を送信する場合の送信されるデータの一例である。
本発明の一実施形態の複合機制御システムについて図1から図8に基づいて説明すると以下の通りである。
図1は、本実施形態に係る複合機制御システムの構成を示す図である。本実施形態に係る複合機制御システム100は、図1に示すように、複合機1と端末装置2と制御装置3とを含んでおり、複合機1と端末装置2と制御装置3とは通信ネットワーク50を介して互いに通信可能に接続されている。なお、説明の便宜上、端末装置2は図1において一つしか示されていないが、実際には複数の端末装置2が複合機制御システム100に含まれている。また、複合機制御システム100に含まれる複合機1の台数は複数であってもよく、制御装置3の台数も複数であってもよい。通信ネットワーク50としては、インターネット、電話線、シリアルケーブル、または、他の有線回線もしくは無線回線などの通信回線を利用することができる。なお、複合機制御システム100に含まれる各装置(複合機1、端末装置2、制御装置3)は、TCP/IP(Transmission Control Protocol/Internet Protocol)に基づいて通信を行うようになっており、特に、HTTP(Hyper Text Transfer Protocol)、SOAP(Simple Object Access Protocol)、FTP(File Transfer Protocol)、電子メール通信プロトコル(SMTP(Simple Mail Transfer Protocol),POP(Post Office Protocol)等を用いた通信を行うことが可能になっている。
本実施形態の複合機制御システム100は、複合機1が印刷ジョブを示すジョブデータを受け付けた場合、以下に示す手順にて印刷ジョブ機能の利用権限の有無の判定処理(ジョブ認証処理)を行うようになっている。まず、複合機1が、ジョブデータを受け付けると、ジョブデータに付加されている認証情報(ログイン名およびパスワード)、または、ジョブデータの送信元を示す送信元情報を制御装置3に送信するようになっている。制御装置3は、認証情報または送信元情報を複合機1から受信した場合、認証情報または送信元情報を用いて、印刷ジョブ機能の利用権限の有無の判定(ジョブ認証処理)を行う。制御装置3は、印刷ジョブ機能の利用権限が有ると判定した場合、印刷ジョブの実行を許可する認証許可通知を複合機1へ送り、印刷ジョブ機能の利用権限が無いと判定した場合、印刷ジョブの実行を不許可とする認証エラー通知を複合機1へ送るようになっている。そして、複合機1は、認証許可通知を受けた場合は印刷ジョブを実行し、認証エラー通知を受けた場合は印刷ジョブを実行せず、当該印刷ジョブのジョブデータを消去するようになっている。以下、複合機制御システム100について詳細に説明する。
<複合機1について>
まず、複合機制御システム100のうち複合機1について説明する。複合機1は、各種ジョブ機能(例えば、スキャンジョブ機能、印刷ジョブ機能、FAXジョブ機能など)を実行するデジタル複合機である。複合機1は、機器制御部10と、操作部11と、画像読取部12と、画像形成部13と、第1通信部14とを備える。
操作部11は、利用者に対して各種情報を通知するとともに、利用者からの入力を受け付けるユーザインターフェイスとして機能する。操作部11は、各種の入力キーを含む入力部11aと、LCD(Liquid Crystal Display)などの表示部11bとを備えている。なお、操作部11は、入力部11aと表示部11bとが一体として構成されたタッチパネルであってもよい。
画像読取部12は、スキャナと、原稿をスキャナの位置まで搬送する原稿搬送部とを含んでおり、原稿に印刷された文字や画像などを画像データとして読み取るものである。なお、画像読取部12は、所定の解像度で画像を読み取る。
画像形成部13は、入力された印刷ジョブのジョブデータに含まれる画像データの画像(文字/写真/グラフィック)をシート(用紙等)に印刷するためのものであり、感光体ドラム、帯電装置、露光装置、現像装置、転写装置、定着装置、および用紙トレイなどを含む。具体的に、画像形成部13では、帯電装置が感光体ドラムの表面に静電気を帯電させる。そして、露光装置が画像データに応じた光を感光体ドラムに照射し、画像データで示される画像と同じパターンに帯電させる。その後、現像装置により感光体ドラムの表面にトナーが引き付けられ、転写装置が当該トナー像をシートに転写する。最後に、定着装置がトナーに熱を加えてシートに融着させることで、シートに画像が形成される。これにより、入力した印刷ジョブのジョブデータに含まれる画像データに応じた印刷処理が実行される。なお、印刷ジョブには、複合機1の画像読取部12から入力した画像データに基づく画像を印刷するジョブ(複写ジョブ)や、端末装置2から入力した画像データに基づく画像を印刷するジョブ等がある。
第1通信部14は、通信ネットワーク50を介して、制御装置3や端末装置2などの外部装置との間で通信するインターフェイスである。
機器制御部10は、操作部11、画像読取部12、画像形成部13、第1通信部14などの各部の動作を制御する。例えば、機器制御部10は、画像読取部12の動作を制御して、スキャン画像のデータを取得する。また、機器制御部10は、画像形成部13の動作を制御して、入力された印刷ジョブのジョブデータに示される画像を用紙上に形成し出力する。
<端末装置2について>
つぎに、端末装置2について説明する。端末装置2は、複合機制御システム100の利用者が使用するものであって、OS(Operating System)、文書作成ソフト、表計算ソフト、作図ソフト、画像編集ソフト等の各種ソフトウェアの他、複合機1を遠隔操作するためのプリンタドライバがインストールされているパーソナルコンピュータである。なお、特に図示しないが、端末装置2には、通常のパーソナルコンピュータと同様に、表示装置と、キーボードやマウス等の入力装置と、CPU(central processing unit),RAM(Random Access Memory),ROM(Read Only Memory),HDD(Hard Disk Drive)等からなるコンピュータ本体とが含まれている。端末装置2を操作する利用者が、文書作成ソフト等にて画像データを作成し、前記画像データの画像を複合機1に印刷させるための印刷ジョブをプリンタドライバにて設定すると、印刷ジョブのジョブデータが端末装置2から複合機1へ送信されるようになっている。また、後述するが、端末装置2を操作する利用者は、プリンタドライバを起動せずに、端末装置2に格納されている画像ファイル(PDFファイル等)に基づく印刷ジョブの実行指示を入力でき、この入力によって当該印刷ジョブのジョブデータが端末装置2から複合機1へ送信するようになっている(いわゆるダイレクト印刷)。
<制御装置3について>
つぎに、制御装置3の構成について説明する。制御装置3は、CPUや専用プロセッサなどの演算処理部、および、RAM、ROM、HDDなどにより構成されるコンピュータ装置であり、複合機1および端末装置2にて利用されるアプリケーションソフトウェアや各種情報を集中管理するサーバとして機能するものである。また、制御装置3は、自装置のアプリケーションソフトウェアによって複合機1の各種機能を制御する制御サーバとしても機能する。
制御装置3は、第2通信部30と、アプリケーション部31と、記憶装置32とを備える。
第2通信部30は、通信ネットワーク50を介して、複合機1や端末装置2などの外部装置との間で通信するインターフェイスである。
アプリケーション部31は、所定のアプリケーションに従った動作を行うものである。具体的に説明すると、アプリケーション部31は、記憶装置32にインストールされているアプリケーションに基づいて各種情報処理を実行する。
例えば、アプリケーション部31は、複合機1から起動要求を受けたアプリケーションに基づき、このアプリケーションの操作画面を示すHTMLデータを複合機1へ送信する処理を行う。これにより、複合機1は、前記操作画面を表示部11bに表示させ、操作画面から利用者コマンドを受け付けるようになっている。
また、前記操作画面から複合機1に利用者コマンドが入力されると、複合機1は当該利用者コマンドを制御装置3のアプリケーションに送信することになるが、制御装置3のアプリケーションは、当該利用者コマンドに基づいて情報処理を行って制御コマンドを生成し、生成した制御コマンドを、第2通信部30を介して複合機1へ送信するようになっている。そして、複合機1の機器制御部10は、この制御コマンドに応じた各種処理を行うようになっている。
さらに、アプリケーション部31は、利用者の認証情報が複合機1や端末装置2から送られてきた場合、認証用アプリケーションに基づいて認証処理を行うようになっている。つまり、本実施形態の制御装置3は認証サーバとしても機能するのである。
<操作認証処理について>
本実施形態の複合機1は、起動時に利用者に認証情報を入力させ、この認証情報に基づいて複合機1の操作権限の有無を判定する処理(操作認証処理)を制御装置3に行わせ、操作権限を有する利用者のみ操作を許可するようになっている。以下では、この操作認証処理について詳細に説明する。
図2は、複合機1の操作認証処理時において、複合機1と制御装置3との間で行われる通信処理を示すシーケンス図である。まず、複合機1の電源がオンになることによって複合機1が起動して利用者認証機能が有効になった場合、複合機1の機器制御部10は制御装置(認証サーバ)3に対して起動通知を送信する(F1)。この起動通知には複合機1を識別するための複合機情報が含まれている。
制御装置3のアプリケーション部31は、複合機1から起動通知を受信すると、複合機1が起動した事と利用者認証機能が有効になった事とを検知し、記憶装置32に記憶されている複合機管理リストに複合機1を追加する。複合機管理リストとは、起動中の複合機であって制御装置3の管理対象として登録されている複合機のリストである。
図2に示すように、制御装置3のアプリケーション部31は、前記起動通知の受信後、前記起動通知に対する応答を複合機1に返信し(F2)、複合機1は当該返信に応じてログイン画面の要求を制御装置3に送る(F3)。制御装置3は、ログイン画面の要求が複合機1から送られてくると、ログイン画面を示すHTMLデータを複合機1へ送り、複合機1は当該HTMLデータに基づくログイン画面を表示部11bに表示するようになっている(F4)。表示部11bに表示されるログイン画面の一例を図3に示す。
そして、利用者は、図3に示されるログイン画面を介して、複合機1の操作権限にログインするための認証情報を複合機1へ入力する。ここで入力される認証情報は、ログイン名(利用者名)およびパスワードである。
利用者が複合機1へ入力したログイン情報は、第1通信部14および第2通信部30を経由して制御装置3のアプリケーション部31へ送信される。制御装置3の記憶装置32には、予め登録されている利用者毎に各利用者の認証情報(ログイン名およびパスワード)を示した認証処理用テーブル(図4参照)が記憶されており、アプリケーション部31は、複合機1から送られてきた認証情報と認証処理用テーブルとを照合する処理を行う。
具体的に、アプリケーション部31は、複合機1から送られてきた認証情報と一致する認証情報が認証処理用テーブルに示されている場合、許可通知を複合機1へ送る。許可通知を受けた複合機1の機器制御部10は、表示部11bに表示されているログイン画面をクリアにし、以後の利用者からの各種操作コマンドの入力を有効なものとして受け付ける(つまり利用者に複合機1の操作権限を与え、利用者は複合機1の操作が可能になる)。
これに対し、アプリケーション部31は、複合機1から送られてきた認証情報と一致する認証情報が認証用テーブルに示されていない場合、不許可通知を複合機1へ送る。不許可通知を受けた複合機1の機器制御部10は、表示部11bにログイン画面を表示させ続けて認証情報の再入力を利用者に促し、ログイン画面の表示中は認証情報以外の入力(各種操作コマンドの入力)を受け付けない(つまり、利用者は複合機1を操作できない)。
それゆえ、本実施形態の複合機制御システム100では、真正の認証情報(予め登録されている利用者のログイン名およびパスワード)を操作部11から入力した利用者のみが複合機1を操作できるようになっており、真正のログイン情報を操作部11から入力できない利用者は複合機1を操作できないようになっている。
また、以上では、複合機1における操作認証処理について説明したが、端末装置2においても以上にて説明した操作認証処理と同様の操作認証処理が行われる。
つまり、端末装置2は、図2に示される複合機1の処理シーケンスと同じ処理シーケンスで制御装置3と通信を行うことにより、制御装置3からログイン画面のHTMLデータを取得し、このHTMLデータに示されるログイン画面を端末装置2の表示部(不図示)に表示する。そして、利用者が、端末装置2の操作権限にログインするための認証情報(ログイン名およびパスワード)を端末装置2へ入力すると、この認証情報が端末装置2から制御装置3のアプリケーション部31へ送信される。
制御装置3の記憶装置32の認証処理用テーブルには、図4に示すように、予め登録されている利用者毎に、各利用者の認証情報(ログイン名およびパスワード)と各利用者の有する端末装置2のホスト名との組み合わせが示されている。アプリケーション部31は、端末装置2から送られてきた認証情報を受信すると、送信元の端末装置2のIPアドレス(Internet Protocol Address)を通信情報のヘッダ等から検出し、不図示のDNS(Domain Name System)サーバによって前記IPアドレスを端末装置2のホスト名に変換する。
そして、アプリケーション部31は、端末装置2から受信した認証情報と端末装置2のホスト名との組み合わせと、認証処理用テーブルとを照合する処理を行う。制御装置3のアプリケーション部31は、照合の結果、端末装置2から送られてきた認証情報およびホスト名との組み合わせと同じ組み合わせが認証処理用テーブルに示されていると判定した場合、許可通知を端末装置2へ送る。許可通知を受けた端末装置2は、端末装置2にて表示されているログイン画面をクリアにし、以後の利用者からの各種コマンドの入力を有効なものとして扱う(つまり、利用者に端末装置2の操作権限を与え、利用者は端末装置2の操作が可能になる)。
これに対し、制御装置3のアプリケーション部31は、照合の結果、端末装置2から送られてきた認証情報およびホスト名の組み合わせと同じ組み合わせが認証処理用テーブルに示されていないと判定した場合、不許可通知を端末装置2へ送る。不許可通知を受けた端末装置2は、ログイン画面を表示させ続けて認証情報の再入力を利用者に促し、ログイン画面の表示中は認証情報以外の入力(各種操作コマンドの入力)を受け付けない(つまり、利用者は端末装置2を操作できない)。
それゆえ、本実施形態の複合機制御システム100では、真正のログイン情報(予め登録されている利用者のログイン情報)を自己の端末装置2から入力した利用者のみが端末装置2を操作できるようになっており、真正のログイン情報を端末装置2に入力できない利用者は端末装置2を操作できないようになっている。
<印刷ジョブについて>
複合機制御システム100では、端末装置2から複合機1に印刷ジョブのジョブデータを送信して複合機1に印刷ジョブを実行させるようになっているが、この印刷ジョブには、通常印刷ジョブとダイレクト印刷ジョブとの2種類のジョブがある。以下、通常印刷ジョブとダイレクト印刷ジョブとを順に説明する。
通常印刷ジョブとは、端末装置2のプリンタドライバによって設定される印刷ジョブであり、端末装置2のプリンタドライバが複合機1へ送信したジョブデータに基づいて複合機1にて実行される印刷ジョブを意味する。なお、本実施形態のプリンタドライバは、印刷ジョブのジョブデータの送信前に利用者に対して認証情報の入力を促し、認証情報(ログイン名およびパスワード)を付加したジョブデータを複合機1に送信するようになっている。つまり、本実施形態では、認証情報の入力がないと通常印刷ジョブのジョブデータが複合機1に送信されないようになっている。
つぎに、ダイレクト印刷ジョブについて説明する。本実施形態のダイレクト印刷ジョブとは、プリンタドライバを用いずに端末装置2から複合機1にFTPにて転送されたジョブデータに基づいて複合機1にて実行される印刷ジョブを意味する。より具体的に説明すると、利用者が所望の画像データに対するダイレクト印刷ジョブの指示を端末装置2に入力すると、端末装置2は、プリンタドライバを起動することなく、前記画像データを印刷ジョブのジョブデータとして複合機1へFTP転送するようになっている。つまり、ダイレクト印刷ジョブによればプリンタドライバが用いられないので、ダイレクト印刷ジョブのジョブデータには認証情報が付加されていない。
なお、ダイレクト印刷ジョブの指示の入力は、例えば、利用者が所望の画像データのファイル(例えばPDFファイル)を開くことなくプリンタアイコンにドラッグすることによって行われる。
<ジョブ認証処理>
つぎに、本実施形態の複合機制御システム100にて行われるジョブ認証処理について詳細に説明する。まずは、複合機1および制御装置3のうち、ジョブ認証処理に携わる構成要素について説明する。
図1に示すように、複合機1の機器制御部10は、ジョブ受信部10aと、認証情報検出部10bと、送信元特定部10cと、ジョブ制御部10dとを備えている。また、制御装置3のアプリケーション部31は、情報受信部31aと、認証処理部(許否部)31bとを有している。
ジョブ受信部10aは、複合機1に対する印刷ジョブの実行命令であるジョブデータ(印刷対象となる画像データおよび印刷条件を示すデータ)を端末装置2から受信するブロックである。
認証情報検出部10bは、ジョブ受信部10aの受信したジョブデータから認証情報を検出し、検出した認証情報を、第1通信部14および第2通信部30を介して制御装置3へ送信するブロックである。認証情報の送信に利用される通信プロトコルは様々であるが、本実施形態ではSOAPが用いられる。図6は、SOAPを用いて認証情報を送信する場合の送信されるデータの一例である。
なお、ジョブデータが通常印刷ジョブのデータである場合、ジョブデータに認証情報が付加されているため、認証情報検出部10bはジョブデータから認証情報を検出できる。しかし、ジョブデータがダイレクト印刷ジョブのデータである場合、ジョブデータに認証情報が付加されていないため、認証情報検出部10bはジョブデータから認証情報を検出できない。
送信元特定部10cは、認証情報検出部10bがジョブデータから認証情報を検出できなかった場合、当該ジョブデータの送信元を特定し、当該送信元を示す送信元情報を、第1通信部14および第2通信部30を介して制御装置3へ送信するブロックである。
具体的に説明すると、本実施形態の複合機制御システム100はTCP/IPにてデータ通信を行うものであるため、データ通信における受信側は、通信ヘッダからデータ送信元のIPアドレスを取得することによって、データの送信元を特定できるようになっている。そこで、送信元特定部10cは、ジョブデータの通信時の通信ヘッダに埋め込まれているIPアドレス(端末装置2のIPアドレス)を取得することにより、ジョブデータの送信元(端末装置2)を特定するようになっている。そして、送信元特定部10cは、取得したIPアドレス(端末装置2のIPアドレス)を、ジョブデータの送信元を示す送信元情報として制御装置3へ送信する。
ジョブ制御部10dは、後述する認証許可通知を制御装置3から受け付けた場合、ジョブ受信部10aにて受信されたジョブデータに係る印刷ジョブを画像形成部13に実行させ、後述する認証エラー通知を制御装置3から受け付けた場合、ジョブ受信部10aにて受信されたジョブデータに係る印刷ジョブを画像形成部13に実行させず、前記ジョブデータを削除するようになっている。
制御装置3のアプリケーション部31に備えられている情報受信部31aは、複合機1の認証情報検出部10bから送信されてくる認証情報、または、複合機1の送信元特定部10cから送信されてくる送信元情報(端末装置2のIPアドレス)を受信するブロックである。
認証処理部(許否部)31bは、情報受信部31aが受信した認証情報または送信元情報に基づいて、前記のジョブデータを複合機1へ入力(送信)した利用者(または端末装置2)に対する印刷ジョブ機能の利用権限の有無を決定する。そして、認証処理部(許否部)31bは、利用権限有と決定した場合、印刷ジョブの実行を許可する認証許可通知を複合機1へ送り、利用権限無と決定した場合、印刷ジョブの実行を不許可とする認証エラー通知を複合機1へ送るようになっている。この点について以下詳細に説明する。
まず、情報受信部31aが認証情報を受信した場合について説明する。この場合、認証処理部31bは、情報受信部31aが受信した認証情報(ログイン名およびパスワードの組み合わせ)と同じ認証情報が記憶装置32の認証処理用テーブル(図4)に示されているか否かを判定する。そして、認証処理部31bは、情報受信部31aが受信した認証情報と同じ認証情報が記憶装置32の認証処理用テーブルに示されていると判定した場合、印刷ジョブ機能の利用権限有と決定し、認証許可通知を複合機1へ送信する。これに対し、認証処理部31bは、情報受信部31aが受信した認証情報と同じ認証情報が記憶装置32の認証処理用テーブルに示されていないと判定した場合、印刷ジョブ機能の利用権限無と決定し、認証エラー通知を複合機1へ送信する。
なお、認証許可通知および認証エラー通知の送信に利用される通信プロトコルは様々であるが、本実施形態ではSOAPが用いられる。図7は、SOAPを用いて認証許可通知を送信する場合の送信されるデータの一例であり、図8は、SOAPを用いて認証エラー通知を送信する場合の送信されるデータの一例である。
つぎに、情報受信部31aが送信元情報を受信した場合について説明する。この場合、認証処理部31bは、まず、情報受信部31aに受信された送信元情報のデータ形式の変換を行う。具体的に、認証処理部31bは、DNSサーバを参照して、情報受信部31aに受信された送信元情報のデータ形式をIPアドレスからホスト名に変換する。このような変換を行っているのは、後に、情報受信部31aに受信された送信元情報と認証処理用テーブルに登録されている送信元とが照合されるが、認証処理用テーブルに登録されている送信元は図4に示すようにホスト名で示されているからである。
そして、認証処理部31bは、前記送信元情報に示されている送信元(ホスト名)が記憶装置32の認証処理用テーブル(図4)に示されているか否かを判定する。認証処理部31bは、情報受信部31aに受信され且つデータ形式を変換した後の送信元情報(ホスト名)に示される送信元が記憶装置32の認証処理用テーブルに示されていると判定した場合、印刷ジョブ機能の利用権限有と決定し、認証許可通知を複合機1へ送信する。これに対し、認証処理部31bは、情報受信部31aに受信され且つデータ形式を変換した後の送信元情報(ホスト名)に示される送信元が記憶装置32の認証処理用テーブルに示されていないと判定した場合、印刷ジョブ機能の利用権限無と決定し、認証エラー通知を複合機1へ送信する。
つぎに、ジョブ認証処理の処理手順を図5のフローチャートに基づいて説明する。まず、複合機1は、印刷ジョブのジョブデータを端末装置2から受信すると(S101)、ジョブデータに認証情報が含まれているか否かを判定する(S102)。ジョブデータに認証情報が含まれている場合(S102にてYes)、つまりジョブデータが通常印刷ジョブに係るデータである場合、複合機1は、ジョブデータに含まれている認証情報を制御装置3へ送信する(S103)。
S103の後、制御装置3は、受信した認証情報と同じ認証情報が記憶装置32の認証処理用テーブルに示されているか否かを判定する。制御装置3は、受信した認証情報と同じ認証情報が記憶装置32の認証処理用テーブルに示されていると判定した場合、印刷ジョブ機能の利用権限有と決定し(印刷ジョブの実行許可を決定し)、印刷ジョブの実行を許可する認証許可通知を複合機1へ送る(S104にてYes)。なお、記憶装置32の認証処理用テーブルに示されている認証情報は、複合機1における印刷ジョブの実行機能の利用が予め許諾されている利用者の認証情報である。
そして、認証許可通知を受信した複合機1は、S101にて受信したジョブデータに係る印刷ジョブを実行し(S105)、処理を終了する。
また、S103の後、制御装置3は、受信した認証情報と同じ認証情報が記憶装置32の認証処理用テーブルに示されていないと判定した場合、印刷ジョブ機能の利用権限無と決定し(印刷ジョブの実行不許可を決定し)、印刷ジョブの実行を不許可とする認証エラー通知を複合機1へ送るようになっている(S104にてNo)。そして、この認証エラー通知を受けた複合機1は、S101にて受信したジョブデータに係る印刷ジョブを実行せず、このジョブデータを削除し(S106)、処理を終了する。
また、S102においてジョブデータに認証情報が含まれていないと判定された場合、つまりジョブデータがダイレクト印刷ジョブに係るデータである場合、複合機1は、ジョブデータの送信元を示す送信元情報(IPアドレス)を取得することで送信元を特定し(S111にてYes)、この送信元情報を制御装置3へ送信する(S112)。
S112の後、制御装置3は、受信した送信元情報のデータ形式をIPアドレスからホスト名に変換し、当該送信元情報に示されている送信元(ホスト名)が記憶装置32の認証処理用テーブルに示されているか否かを判定する。制御装置3は、前記送信元情報に示されている送信元(ホスト名)が記憶装置32の認証処理用テーブルに示されていると判定した場合、印刷ジョブ機能の利用権限有と決定し(印刷ジョブの実行許可を決定し)、印刷ジョブの実行を許可する認証許可通知を複合機1へ送る(S104にてYes)。なお、記憶装置32の認証処理用テーブルに示されているホスト名は、複合機1における印刷ジョブの実行機能の利用が予め許諾されている端末装置2(送信元)を示す情報である。
そして、認証許可通知を受信した複合機1は、S101にて受信したジョブデータに係る印刷ジョブを実行し(S105)、処理を終了する。
また、S112の後、制御装置3は、送信元情報に示されている送信元(ホスト名)が記憶装置32の認証処理用テーブルに示されていないと判定した場合、印刷ジョブ機能の利用権限無と決定し(印刷ジョブの実行不許可を決定し)、印刷ジョブの実行を不許可とする認証エラー通知を複合機1へ送るようになっている(S104にてNo)。そして、この認証エラー通知を受けた複合機1は、S101にて受信したジョブデータに係る印刷ジョブを実行せず、このジョブデータを削除し(S106)、処理を終了する。
なお、S102においてジョブデータに認証情報が含まれていないと判定された後、複合機1は、ジョブデータの送信元を示す送信元情報(IPアドレス)を取得できない場合(S111にてNo)、このジョブデータに係る印刷ジョブを実行せずにジョブデータを削除し、処理を終了する。
以上にて示した本実施形態の複合機制御システム100は、複合機1と、複合機1を制御する制御装置3とを備えている。そして、複合機1は、受信側にて送信元の特定が可能な通信プロトコル(TCP/IP)によって印刷ジョブのジョブデータを受信するジョブ受信部10aと、ジョブデータの送信元を特定し且つ特定された送信元を示す送信元情報を制御装置3に送信する送信元特定部10cと、制御装置3が前記印刷ジョブの実行を許可しなかった場合には複合機1の画像形成部13に前記印刷ジョブを実行させず、制御装置3が前記印刷ジョブの実行を許可した場合には複合機1の画像形成部13に前記印刷ジョブを実行させるジョブ制御部10dとを有している。これに対し、制御装置3は、複合機1から前記送信元情報を受信する情報受信部31aと、印刷ジョブの実行機能の利用が許諾されている送信元(ホスト名)を予め記憶する記憶装置32と、前記送信元情報に示される送信元が前記記憶部に記憶されているか否かを判定する認証処理部(許否部)31bとを有している。認証処理部31bは、前記送信元情報に示される送信元が記憶装置32に記憶されていないと判定した場合は複合機1に前記印刷ジョブの実行を許可せず、前記送信元情報に示される送信元が記憶装置32に記憶されていると判定した場合は複合機1に前記印刷ジョブの実行を許可するものである。
このような複合機制御システム100の構成によれば、前記ジョブデータに認証情報(ログイン情報)が付加されていなくても、印刷ジョブ機能の利用権限の有無の判定(印刷ジョブの実行許否の判定)が可能になる。それゆえ、複合機1を利用する利用者の認証情報(ログイン情報)の入力作業を不要または減じることができ、従来よりも利用者の手間を軽減することが可能になる。
また、本実施形態では、認証処理用テーブルに示されているホスト名の端末装置2は、操作認証処理を行って操作権限を取得しなければ操作できないようになっている。それゆえ、当該端末装置2を送信元とするジョブデータは、操作権限を有する利用者によって作成されたデータと扱うことができ、当該ジョブデータに基づく印刷ジョブの実行を許可しても問題がないものと考えられる。
なお、上述した実施形態では、IPアドレスからホスト名への変換処理は、制御装置3側で行われているが、複合機1側で行われても構わない。
また、上述した実施形態では、認証処理用テーブルにおいて、印刷ジョブ機能の利用権限が許諾されている送信元は、ホスト名で示されているが、IPアドレスで示されていても構わない。但し、この場合、IPアドレスからホスト名への変換処理は行われない。なお、各端末装置のIPアドレスをDHCP(Dynamic Host Configuration Protocol)で割り当てている場合は、各端末装置2に割り当てられるIPアドレスはランダムに異なるため、利用者が端末装置2の操作認証処理を行った場合にその端末装置2のIPアドレスを認証処理用テーブルに登録するようにすれば、適切な運用を行うことができる。
さらに、印刷ジョブにはEmailダイレクト印刷ジョブがある。Emailダイレクト印刷ジョブとは、複合機1が、ジョブデータを添付した電子メール(Email)を端末装置2から受信すると、当該電子メールに添付されているジョブデータに応じて実行する印刷ジョブを意味する。複合機1は、ジョブデータを添付した電子メールを電子メールプロトコルによって受信した場合、送信元の電子メールアドレスを検出可能である。そこで、図4に示すように、印刷ジョブ機能の利用権限が許諾されている送信元の電子メールアドレスを認証処理用テーブルに列挙しておく。そして、ジョブデータを添付した電子メールが複合機1に入力された場合、複合機1の送信元特定部10cが、当該電子メールの送信元の電子メールアドレスを、ジョブデータの送信元を示す送信元情報として制御装置3に送信し、制御装置3が、この送信元情報と認証処理用テーブルに示される電子メールアドレスとに基づいてジョブ認証処理を行うようになっていてもよい。
また、本実施形態のダイレクト印刷ジョブは、利用者が端末装置2を操作して端末装置2の画像ファイルを複合機1へFTP転送する形態であった。しかし、本実施形態の複合機制御システム100においては、利用者が複合機1の操作部11を操作することによって、端末装置2の画像ファイルを複合機1にFTP転送して印刷するダイレクト印刷ジョブも実行可能である(この場合もプリンタドライバが用いられない)。そして、当該ダイレクト印刷ジョブのジョブデータについても図5の処理を行うことが可能であり、この場合、送信元情報に基づいてジョブ認証処理が行われることになる。
また、本実施形態では、プリンタドライバを用いて印刷ジョブを設定する場合、プリンタドライバを介して認証情報を入力しなければならないようになっているが、認証情報の入力が不要なプリンタドライバが用いられてもよい。そして、認証情報の入力が不要なプリンタドライバを用いて印刷ジョブを設定する場合、複合機1に入力されるジョブデータには認証情報が付加されていないことになる。この場合、送信元特定部10cがジョブデータの送信元を示す送信元情報を検出し、この送信元情報によってジョブ認証処理を行うようにすればよい。これにより、プリンタドライバを用いた印刷ジョブにおいて認証情報を入力せずともジョブ認証処理を実現することが可能になる。
また、本実施形態の複合機1は、複写処理も可能であるし、複合機1に接続されたUSB機器から取り出された画像データに基づく印刷処理も可能である。これら処理においては、通信ネットワークを介した通信がなされないので送信元情報の取得は行われないが、複合機1の起動時に操作認証処理を行っているので、真正の利用者でないとこれら処理を行うことができない。
本発明は上述した各実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能であり、異なる実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。
なお、機器制御部10およびアプリケーション部31に含まれる各ブロックは、次のようにCPUを用いてソフトウェアによって実現されてもよい。すなわち、機器制御部10およびアプリケーション部31の各々は、機器制御部10およびアプリケーション部31に含まれる各部の機能を実現する制御プログラムの命令を実行するCPU、上記制御プログラムを格納したROM、上記制御プログラムを展開するRAM、上記制御プログラムおよび各種データを格納するメモリ等の記憶装置(コンピュータ読み取り可能な記録媒体)などを備えている。そして、上記制御プログラムのプログラムコード(実行形式プログラム、中間コードプログラム、ソースプログラム)をCPUが読み出し実行することによって、機器制御部10およびアプリケーション部31に含まれる各部の機能が実現される。また、上記制御プログラムはCD−R等のリムーバブル記録媒体に記録されており、当該リムーバブル記録媒体に記録されている制御プログラムをCPUが実行するようになっていてもよい。
本発明は、複写、スキャン、FAXなどの複数の機能を実現する複合機と、この複合機を制御する制御装置とを含む複合機制御システムに利用可能である。
1 複合機
2 端末装置
3 制御装置
10a ジョブ受信部
10b 認証情報検出部
10c 送信元特定部
10d ジョブ制御部
31a 情報受信部
31b 認証処理部(許否部)
32 記憶装置
50 通信ネットワーク
100 複合機制御システム

Claims (6)

  1. 複合機と、前記複合機を制御する制御装置とを備える複合機制御システムであって、
    前記複合機は、
    受信側にて送信元の特定が可能な通信プロトコルによって、前記複合機に対するジョブの実行命令を示すジョブデータを受信するジョブ受信部と、
    前記ジョブデータの送信元を特定し、特定された送信元を示す送信元情報を前記制御装置に送信する送信元特定部と、
    前記制御装置が前記ジョブの実行を許可しなかった場合には前記複合機に前記ジョブを実行させず、前記制御装置が前記ジョブの実行を許可した場合には前記複合機に前記ジョブを実行させるジョブ制御部とを備え、
    前記制御装置は、
    前記複合機から前記送信元情報を受信する情報受信部と、
    前記複合機における前記ジョブの実行機能の利用が許諾されている送信元を予め記憶する記憶装置と、
    前記送信元情報に示される送信元が前記記憶装置に記憶されているか否かを判定し、前記送信元情報に示される送信元が前記記憶装置に記憶されていないと判定した場合は前記複合機に前記ジョブの実行を許可せず、前記送信元情報に示される送信元が前記記憶装置に記憶されていると判定した場合は前記複合機に前記ジョブの実行を許可する許否部とを備えることを特徴とする複合機制御システム。
  2. 前記通信プロトコルは、受信側において送信元のIPアドレスを特定可能なプロトコルであり、
    前記送信元特定部は、前記IPアドレス、または前記IPアドレスから変換可能なホスト名を前記送信元情報とすることを特徴とする請求項1に記載の複合機制御システム。
  3. 前記通信プロトコルは電子メール通信プロトコルであり、
    前記送信元特定部は、前記送信元の電子メールアドレスを前記送信元情報とすることを特徴とする請求項1に記載の複合機制御システム。
  4. コンピュータを、請求項1から3のいずれか1項に記載の複合機制御システムの複合機に備えられる各部として機能させる制御プログラム。
  5. コンピュータを、請求項1から3のいずれか1項に記載の複合機制御システムの制御装置に備えられる各部として機能させる制御プログラム。
  6. 請求項4または5に記載の制御プログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体。
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