[go: up one dir, main page]

コンテンツにスキップ

Gnash

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
Gnash
Gnash 0.8.0 のスクリーンショット
作者 Rob Savoye など
開発元 Gnash プロジェクト
最新版
0.8.10 / 2012年1月31日 (12年前) (2012-01-31)
リポジトリ ウィキデータを編集
プログラミング
言語
C++, GTK+ / Qt
対応OS クロスプラットフォーム
サポート状況 開発終了
種別 メディアプレーヤー
ライセンス GPL
公式サイト [1]
テンプレートを表示

Gnash(グナッシュ) は、Adobe Flash フォーマットのコンテンツを再生できるフリーメディアプレーヤーである。

歴史

[編集]

Gnash は、GameSWF (ゲームスウィフ) のパブリックドメインのコードをもとにして作られている。2005年12月に GameSWF はフォークされ、GNUプロジェクトスタイルに再アレンジされた後、Gnash プロジェクトとして Firefox プラグインの開発が開始された[1]

主なバージョン

[編集]

概要

[編集]

名称は、「GNU」と「Flash」から取られている。これに加えて、「プロプライエタリなソフトウェアをインストールしなければ、自分の使っているプラットフォーム上でFlashを再生できないことに対して歯ぎしり(=英語で"gnash")する」[6]、という意も含まれ、ダブルミーニングとなっている。本来、英語の gnash は「ナッシュ」と発音されるが、GNU を「ヌー」ではなく「グヌー」と呼ぶのと同様に、Gnash は「グナッシュ」と発音される。

ライセンスは GPL であり、その開発プロジェクトは FSF の高優先フリーソフトウェアプロジェクト[7]に挙げられている。FSF による GPL 3 リリースに伴い、Gnash のライセンスはバージョン 0.8.1 から GPL 3 になった[8]

Gnash はスタンドアロンの Flash 再生ソフトとして動作する。KDE ベースのものは Klash と呼ばれる。またプラグインとしても使われ、 Firefox のような Mozilla 系のブラウザや Konqueror で使える。

Gnash は C++ で実装され、Boost が利用されている。Gnash は複数のバックエンドを持っており、レンダリングには OpenGL、AGG (Anti-Grain Geometry)、Cairo など、サウンドには SDLGStreamer などから選択できる。AGG は主に組み込みシステムなど OpenGL が使用できない環境での利用を想定している。GUI としては、 GTK+Qtフレームバッファなどが用意されている[9]

今のところリリースされているのはベータ版までである。

Gnash では Adobe Flash Player が持つ機能を実装することを目標としており、SWF(バージョン7の大部分と、8と9の一部)と FLV に対応している。

Adobe Flash Player に存在せず、Gnash に存在する機能に拡張機能がある。これは Flash の仕様に無い機能を追加するものである[10]。拡張機能はデフォルトで無効になっており、有効にするにはユーザ設定ファイルで明示的にオンにする必要がある[11]

プラットフォーム

[編集]

Gnash は 64ビット環境を含む LinuxmacOSFreeBSDNetBSDOpenBSDIRIXWindowsOS/2 などで動作する[9]。なお、Adobe Flash Player の Linux 版は x86 互換 CPU のみで動作し、PowerPCSPARC 上の Linux や FreeBSD はサポートしない[12]。また、64ビット対応の Adobe Flash Player については Linux 版がアルファ版としてある[13]が、安定版の Adobe Flash Player はない[14]

この他に、対応 Flash Player がリリースされていない RISC OS[15] や最新の Flash Player がバージョン4の BeOS[16] にも Gnash が移植されている。また、スマートフォンPDA などの組み込みシステムでも動作する。

開発

[編集]

アドビ は Flash の仕様書を公開している。しかし、以前は Flash の再生ソフトの開発に利用することを認めていなかった。そのため、Gnash の開発メンバーは アドビのライセンスに縛られないように、それを参照せずアドビの開発ツールを利用せずに、ウェブ上に存在する Flash ファイルを集めて解析するというクリーンルーム方式での開発を行っていた[17]。しかし、2008年5月1日のライセンス変更で Open Screen Project が始まり、仕様書を参照しながら互換プレーヤーを作れるようになった[18]

脚注

[編集]
  1. ^ Gnash メーリングリストの最初の投稿 "Welcome to the Gnash project!"” (英語). 2008年5月13日閲覧。
  2. ^ 最初のアルファリリースのメッセージ” (英語). 2008年5月13日閲覧。
  3. ^ 三番目のアルファリリースのメッセージ” (英語). 2008年5月13日閲覧。
  4. ^ 最初のベータリリースのメッセージ” (英語). 2008年5月13日閲覧。
  5. ^ Gnash 0.8.8 Released” (英語). Gnash Project (2010年8月22日). 2010年8月25日閲覧。
  6. ^ What does Gnash stand for?” (英語). 2009年3月12日閲覧。
  7. ^ フリーソフトウェア財団の高優先フリーソフトウェアプロジェクトのリスト” (英語). 2008年5月13日閲覧。
  8. ^ Gnash GPLv3” (英語). 2008年5月13日閲覧。
  9. ^ a b BuildMatrix” (英語). 2008年5月13日閲覧。
  10. ^ 用語集” (英語). 2008年5月13日閲覧。
  11. ^ ユーザ設定ファイル” (英語). 2008年5月13日閲覧。
  12. ^ Flash Player 必要システム構成”. 2008年5月13日閲覧。
  13. ^ Adobe Labs - Downloads: Flash Player 10”. 2009年3月8日閲覧。
  14. ^ Flash Player の 64 ビット版オペレーティングシステム対応状況”. 2008年5月13日閲覧。
  15. ^ RISC OS To Get Flash, Word Support” (英語). 2008年5月13日閲覧。
  16. ^ Gnash for BeOS (Take 2).” (英語). 2008年5月13日閲覧。
  17. ^ How do Gnash developers work with the Adobe/Macromedia EULA?” (英語). 2008年5月13日閲覧。
  18. ^ Adobe and Industry Leaders Establish Open Screen Project” (英語). 2009年9月10日閲覧。

関連項目

[編集]

外部リンク

[編集]