立法
議会の議決を経て法律を定立する行為
法規の意義
編集狭義説
編集この考え方は、19世紀の議会勢力が弱体であったころの立憲君主制の下で採用された見解である。一般的・抽象的な法規範のうち、国民の利益に最も関係のある「自由と財産」に関する権限だけを君主から奪い議会に留保するという考え方によるものである。大日本帝国憲法下における通説的な見解でもある。この考え方によると、国家組織を定める一般的な法規範などは立法の範疇に入らない。
広義説
編集およそ一般的・抽象的な法規範または命題をすべて含むとする説。
この考え方は、議会制民主主義の発展に伴い、前者の考え方では議会の守備範囲が狭すぎるという問題意識から採用されるに至った見解である。「一般的・抽象的」とは、不特定多数の人・場合・事件に適用される法規範であることを意味する。日本国憲法下で通説化した。
立法権の帰属
編集近代以後は、実質的意味における立法については議会の関与を必要とするのが一般的である。
主な国の立法過程
編集日本
編集→詳細は「法律 § 日本における立法過程」を参照
イギリス
編集→「法律 § 英国における立法過程」も参照
- 【下院(庶民院)先議】第1議会→第2議会→委員会審査(通常は公法案委員会・早急時は全院委員会・特別委員会)→報告段階→第3議会[注釈 1]→上院での審議→国王の裁可→成立→公布
- 【上院(貴族院)先議】第1議会→第2議会→委員会審査(通常は全院委員会)→報告段階→第3議会[注釈 2]→下院での審議→国王の裁可→成立→公布
ドイツ
編集- 政府→上院(連邦参議院)→政府→下院(ドイツ連邦議会)への法案提出→第1議会→委員会審査→第2議会・第3議会→上院での審議
- →同意法案
- 同意→大統領の認証→公布
- 上院による両院協議会の招集要求→両院協議会
- 修正→下院→上院→同意→大統領の認証→公布
- 修正なし→上院→同意→大統領の認証→公布
- →異議法案
- 承認→大統領の認証→公布
- 上院による両院協議会の招集要求→両院協議会
- 修正→下院→上院→承認→大統領の認証→公布
- 修正なし→上院
- 承認→大統領の認証→公布
- 異議→下院→異議の却下→大統領の認証→公布
- →同意法案
- 下院議員→下院への法案提出→(以下同じ)
- 上院→政府→下院への法案提出→(以下同じ)